さよなら500系のぞみ


 2010年2月末で500系が「のぞみ」から引退した。つまり東京乗り入れがなくなり、以後、新大阪以東の東海道新幹線区間では500系を見ることは出来なくなってしまった。
 500系は世界最高速度である300km/hで走行するために、JR西日本が開発し、1997年3月に鮮烈デビューを果たした。当初、山陽新幹線区間のみの運行だったが、半年後の11月からは待望の東京乗り入れを果たし、一気に東海道・山陽新幹線のスターへと上り詰めた。
 風の抵抗を出来る限り少なくした細長く突き出た前面、円筒型のボディーに、翼型のパンタグラフの採用。そして今までの白地に青帯という新幹線の伝統的な塗り分けとは異なった、ライトグレーを基調にした大胆な塗り分けで一躍人気車両となった。しかし、当初から先頭部の長い鼻のために、座席を確保できず、在来車との座席定員との違いから運用が限定されてしまい、使いづらい車両となっていた。その後、性能的にも引けをとらない700系(最高速度は285km/h)がデビューして少しづつ主役の座を奪われ、そして傾斜構造の採用によって東海道区間でもスピードアップが図れ、さらに、山陽区間においても、時速300km/hが出せ、座席定員も確保できたN700系がデビューするにあたり、完全にお荷物的な存在になってしまった。
 それでも、500系は700系やN700系のどこか野暮ったいデザインとは違い、航空機にもロケットにも似たフォルムは超特急にふさわしいデザインで、以前として人気の高い車両であった。そのN700系に押し出される形でのぞみから引退、今後はグリーン車のないモノクラスの8両編成となって山陽区間の「こだま」として活躍することになる。
 今回は、東京乗り入れ末期の様子を1月、2月に撮影してきたので、紹介する。


2010年1月25日 のぞみ35号
12:30発のぞみ35号 反対側のホームから
JR500 WEST JAPAN ロゴ 長い鼻と円筒型のボディーが特徴です。
形式消滅となるグリーン車 博多へ向けて出発していきます。

2010年2月3日 のぞみ35号
のぞみ8号が東京駅に入線してきました。 折り返し東京12:30発のぞみ35号になります。
先頭部は航空機を思わせる形です。 東京駅でも見納めとなります。

2010年2月14日 のぞみ35号
700系との並び 人気の車両でしたが、のぞみからは
2010年2月末を以って撤退しました。

東海道新幹線の車両
300系 のぞみ用車両としてデビューしたが、20年を経て
現在はこだま中心の運用に就く。
700系 JR東海車 700系側面ロゴ
700系 JR西日本車 JR西日本車には先頭車側面にJR700のロゴが入っています。
現在、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」の主流ですが、
すでにN700系にその座を奪われつつあります。
700系とN700系の並び
最新鋭N700系 N700系側面ロゴ

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