583系臨時快速白虎


大学時代の先輩から18きっぷが余ってるから福島方面へ鉄にいかないか?との誘いがあり、のこのことついて行くことにした。出発は新宿6時24分発快速フェアウェイ。JR東日本は165系を今年中に全廃する予定であるから、このムーンライトえちご、フェアウェイ使用の上沼垂塗装の165系の終焉もまもなくと思われる。まずは、新宿へ急ぐのだが、早朝は中央線に快速電車はなく、色だけオレンジの201系が各駅に停車していく。方向幕にわざわざ「各駅停車」などと書いているものだから、おお「中央特快」じゃんと一瞬ぬか喜びをしたが、よく見ると「各駅停車」何度見ても「各駅停車」。神田、御茶ノ水を出ると、ちゃんと次は水道橋に停車する。紛れもなく「各駅停車」なのだ。しかも、この朝のくそ寒い中、大して乗降客もないのに、すべてのドアをおっぴろげていく。田舎のような半自動が欲しいなんて思ってしまう。
新宿には6時10分頃に到着。外はまだ暗い。先輩もまだ来ていないようなのですでに入線している165系の写真などをオタク面して撮ってると、なんとその様子を先輩に激写されてしまった...
さて、今は湘南新宿ラインのルートで珍しくもなくなったが、山手貨物を北上し、田端の手前で東北貨物線へと入っていく。赤羽を出ると、浦和や、さいたま新都心にホームはなく大宮に停車する。大宮からは通常の東北本線上を北上。黒磯まで行く。

新宿で出発を待つ165系 快速フェアウェイ サボ健在です。
107系と 黒磯にて 上沼垂色の165系もまもなく見納めです。

黒磯は駅舎の上に東北新幹線が走っているが、駅はなく、那須への玄関口は那須塩原に譲った格好だ。またもう一つの名物としては構内に直流と交流が変わるデッドセクションがあり、165系もここで行き止まりとなる。一方では、上り貨物列車が頻繁に到着してはED75重連やEF500の交流機からEF65の直流機に付替えられてまた慌しく出発していく。
さて、ここからさらに北へ向けて出発する電車をみれば、なんと701系。当然ながらオールロングシート。(笑)。そういえば、この辺の区間って、いつも夜行列車で乗ってるから昼間に乗るのって、本当に珍しいかもしれない。そう思うとオールロングの701系も憎らしくなくなってくる。

黒磯では貨物列車の機関車の付け替えが行われます。 黒磯からはEF65を先頭にして南下します。
黒磯駅 黒磯まで701系が乗り入れてきている。

そして郡山からは本日のメインである583系使用の臨時快速白虎。接続時間があまりなく、とりあえず、飛び乗った。久しぶりに乗る583系しかもオリジナル塗装。6両編成とちょっと短いものの、雰囲気は十分。懐かしいね。といっても、自分も現役バリバリ昼夜特急時代を知ってるわけではなく、はつかりの臨時や急行津軽に使用されていた晩年期なのだが...その583も行きは福島で降りてしまう。

臨時快速白虎 側面方向幕には特製シールが貼ってありました。

そこから、福島交通へ。なぜ、福島交通かって、それは先輩に聞いてください。終点の飯坂温泉の駅でなんかいろいろ切符を買うらしい。今回は元々、お付き合いなので、黙ってついていく。とは言うが、福島交通に乗ること自体、10年ぶり以上であり、それなりに楽しみでもある。福島交通は地方鉄道の割に頑張っており、日中は25分ヘッドでの運転である。どうせなら、30分ヘッドの方がわかり安いような気がするが、少しでも、運転本数を多くしようという姿勢の現れのように思える。実際は終点の福島駅も飯坂温泉駅も1面1線であり、交換設備の関係でこれ以上の増発は難しいようである。それでは、乗客の方はどうかというと、日曜日の午前中であったため下り列車はガラガラであるが、上り列車は途中駅からそれなりの乗車があり福島駅につく頃にはちらほら立ち客も出るくらいで、比較的利用率はよさそうである。25分ヘッドも納得である。また時刻表を見ると25分ヘッドであるが故に時間によっては1時間あたり3本の列車があり、見かけだけだが、本数が多く見えるのでほっとする。

福島交通 元東急7000系 飯坂温泉 飯坂温泉駅

福島に戻って今度は阿武隈急行経由で槻木へ。18きっぷだから東北本線経由の方がいいのかもしれないが、こんな機会でもないと阿武隈急行に乗る機会もないし、それはそれでいいのだが、実際は先輩はここでもなにかたくらんでいるようだったが、深くは詮索しなかった。(笑)。阿武隈急行は国鉄時代の槻木−丸森間の丸森線を福島まで延伸して第三セクター化した鉄道であり、東北本線と直通運転列車をすることからも、全線が交流電化であり、車両も独自デザインの2両編成を使用している。福島交通の接続で慌てて駆け込んだ列車は途中富野止まりなので、手前の梁川で次の列車を待つ。有人駅だし、ちょっとは大きな町かと思い気や、駅前にはなにもなくかろうじてコンビニが1件あるきり。とりあえず、弁当を買って、駅待合室で昼食にする。その後、先輩は出札口でいろいろやってたようだ。(笑)。梁川を出ると、次が「やながわ希望の森公園前」というやたら長い名前の駅に着く。一昔前まではここが日本一長い駅名だったが、その後、鹿島臨海鉄道の「長者ヶ崎潮騒はまなす公園」、南阿蘇鉄道の「南阿蘇水の生まれる里白水高原」に抜かされ、最近になってさらに一畑電鉄の「ルイス .C.ティファニー庭園美術館前」が一番になってからは、だいぶ影が薄くなった。
列車が阿武隈川流域から山中に入り込んできて、このあたりが、福島県と宮城県の県境になるようだ。丸森に到着して、ここまでがいわゆる新線区間。ここから槻木までが旧丸森線となる。

梁川駅 阿武隈急行 8100形

槻木からは再びJRで仙台へ向かう。ようやく東北らしく719系なる列車にあたる。仙台では、そんなに潤沢に時間があるわけでもなく、手短に笹かまぼこや萩の月といったお土産と485系ひばりのオレンジカードを買い求めて、白虎が入るホームへと急ぐ。すでに何人か並んでいるが、それほどでもない感じ。今や遅しと入線を待つ。

719系 455系グリーンライナー

ほどなくして青森方から入線。とりあえず、座席を確保したらホームは大撮影大会と化す。とりあえず、見晴らしのいい反対側ホームへ行こうと思い立つが、まもなく、列車が入線してくる様子。とりあえず、ホームと階段をかけずりまわる。後方より列車が進入。ヘッドライトが見えてきたが、なんとかかぶる前に撮影に成功。鉄の執念岩をも通す。(笑)いろいろ写真を撮ってるうちに発車時間間際になり、ともかく、乗り込んだ。

なんとか手前に電車が入線する前に撮れました。 正面から
ヘッドマークはシール対応 後ろからも撮りました。

快速とはいうものの、仙台を出ると、福島、仙台と停車駅は特急並。座席は広いボックスシートだが、583系と十の位の8が示すようにこれでも特急型だ。車内はモケットも張り替えられているし、2重窓のベネジャンブラインドも撤去され、カーテンになっていたが、天井に収納された2段のベッドはそのままで、583系独特の雰囲気は十分に感じられる。そんな中に2時間程ゆられてすでにだいぶ暗くなった郡山に到着した。このあと、白虎は向きをかえて、磐越西線を会津若松まで行く。

側面方向幕のシール。
上で紹介したものの反対側なので、図案が逆になっています。
車内の様子
運転台の様子 郡山に到着した583系快速白虎

こちらは郡山からの接続はかなり混雑した719系の黒磯行。白虎のほとんどの乗客がこの列車に乗り込むので、座れないと思ったがなんとかボックス席に相席させてもらい腰掛けることができた。最後の行程となる黒磯からは快速ラピッドが接続する。1時間に1本しかない快速に接続するのだから、よい接続なのだが...車両はなんと211系のオールロングシート。115系やE213系でも車両によってはボックスシートがあるのに、よりによって211系だなんて。これも日頃の行いの悪さ所以と諦める。快速とは行っても小山までは各駅停車。それまでが異常に長く感じるものだ。気が付くと外はどしゃぶり。小山をすぎて快速運転がはじまりやっと大宮までたどり着く。京浜東北線が並走しだすと、帰ってきたなと実感がわく。こうして、上野の高いホームに到着。今回の鉄もこれで終了。ここで改めて、18きっぷで仙台まで日帰り往復できるんだ。そんなことを思いつつ、雨の中、帰路についた。

211系 快速ラピッド 長かったロングシートの旅も終わった上野駅にて

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