EF55碓氷号


準鉄道記念物に指定され、そのユーモラスな形からムーミンとも呼ばれ人気があったEF55が2009年1月でとうとう引退することになった。EF55は1936年(昭和11年)製で当時3両が製造され、東海道本線で特急つばめ、富士の牽引に使用されていた。しかし片側だけの流線型で、電気機関車にもかかわらず、終端駅では、転車台での方向転換が必要という使い勝手の悪さから、第一線を早々に外れ1964年に一度は廃車になった。その後、長らく静態保存されていたが、1986年に走行できるように整備され、高崎で車籍が復活し、その後、各種イベント列車で活躍をしていた。しかし、さすがに車齢70年を超え、故障も多くなり、部品調達、修理も難しくなったことからついに2009年1月で引退することになった。その後は、再び静態保存される予定である。このEF55のラストランイベントとして、EF55水上号など運転されることになったが、どれも人気で、指定券が瞬時で完売になったため、急遽追加運転が決まった。その追加運転のうち12月27日のEF55碓氷号の指定券が取れたので、乗りに行くことにした。


上野からは快速アーバンで高崎へ。グリーン車はサロ124からの改造車であるサロ213。さすがに年末休みの初日だけあって、グリーン車もほぼ満席状態。車内には、EF55目当ての鉄の姿もちらほら見える。

上野→高崎
211系 快速アーバン サロ213

高崎駅は2番ホームからEF55碓氷号が出るということで、入線前からホームは多くのファンで活気づいている。入線後はもう祭り状態とてもじゃないけど写真が撮れる状態ではなく、結局、ヘッドマークの写真しか撮れなかった。とりあえず、乗りこんでしまえということで、こちらも今や貴重になった12系客車に乗りこんだ。車内は満席で、グッズを売るコーナーは長蛇の列。沿線にはおびただしい数のファンがこのEF55碓氷号にカメラを向けている。せっかく指定券を取ったのだが、高崎−横川間の走行時間は42分。あっという間に横川到着となってしまう。もっとも記念乗車の意味合いが強いのでこれでもいいのかもしれないが、せめて1時間は乗っていたい。

高崎駅
高崎駅 発車案内 ヘッドマーク
すさまじい鉄道ファンの数でヘッドマークしか写真が
撮れませんでした。

その代わりと言っては難だが、横川到着後はしばらく引き上げることなく停車し、ここで大撮影大会となった。しかし本当にすごい人でなかなか思うような写真は撮れなかった。なんとか撮ったのが下の写真になります。

高崎→横川
横川駅に到着したEF55 ムーミン、カバ の愛称で親しまれていました。
12系 側面方向幕 EF55 1 ナンバープレート
EF55碓氷 サボ 車内のポスター
EF55 後方から 6号車 スハフ12 161
5号車 オハ12 369 4号車 オハ12 368
3号車 オハ12 367 2号車 オハ12 366
1号車 スハフ12 162 後ろに補機としてDD51がついていました。
EF55弁当 高崎駅で販売されていました。 中身は天ぷらをメインに群馬名産のこんにゃくなどが入っていました。
指定席券 車内で配布された乗車証明書 D型硬券です。

さて、撮影をなんとか終了し、横川からは廃線になって不便になった碓氷峠をバスで超えて軽井沢へ。今回のEF55碓氷号の乗客と、その後に到着した定期列車の乗客で、バスは2台が満員となって出発した。妙義山を右に左に眺めながらバスは進み、30分程で軽井沢へ到着。軽井沢からはしなの鉄道で小諸へと向かう。車窓右手には雪をかぶった浅間山が実にきれいに見える。

横川→軽井沢→小諸
横川→軽井沢 バス
横軽が廃止になってなければこんな不便にならずにすむのだが...
しなの鉄道115系 軽井沢→小諸
平原駅 ヨ8000を使用した駅舎 平原駅 駅名標

♪汽車の窓からハンケチ振れば〜♪ということで高原列車、小海線に乗りかえる。ハイブリッド気動車に乗りたかったのだが、今回は従来形のキハ110系。キハ110系でもJR以降の車両であり、十分新しいとは思うのだが。と言って乗ったものの、乙女を過ぎて、しなの鉄道の線路と分かれて、新幹線との接続駅である佐久平を過ぎるころには寝てしまっていた。起きたのは野辺山の手前。(笑)。いつのまにか2両編成だったのが、1両の単行になっていた。
野辺山はJRでは日本最高地点1345.67Mにある。近くには国立天文台野辺山宇宙電波観測所があり、大きなパラボナアンテナも見える。そのことからも宇宙に一番近い駅とも呼ばれている。機会があれば一度下りてみたい。野辺山を出ると、まもなく、1375MのJR最高地点を通過。県境を超えて山梨県に入り、清里へと到着する。その昔は新宿から169系使用の葉ッピーきよさと号なんてのがディーゼル機関車牽引で清里まで乗入れたこともあるくらい活況を呈していたが、今やそれもなくなり、清里人気もかげりが見え始めている。実際、乗りこんだ乗客のほとんどが中高年というよりむしろ初老のハイキング客ばかりであった。車窓左側に美しい富士が、右側には八ヶ岳が見えてくる。甲斐大泉、甲斐小泉と停車してまもなく終点小淵沢に到着となった。

小諸→小淵沢
小海線 高原列車の旅 110系
側面にはやっピーくんのステッカーが貼ってあります。 小淵沢駅に到着です。
小淵沢駅 小淵沢駅 駅名標
185系 はまかいじ 115系 小淵沢→甲府

小淵沢からは11月までであれば、215系使用の快速ビューやまなし号が運転されているのだが、12月はさすがにシーズンオフのため土日でも運転されていない。ガラガラのはまかいじを見送ったあと、定期列車の115系塩山行に乗りこむ。甲府まであと1駅の竜王で10分の停車で特急あずさの通過待ち。甲府まで逃げ切れないのものだろうかとおもいつつも、しばらく待つ。この列車は塩山行だが、塩山からの接続列車はなく、そのあとの甲府発になるので、甲府で下車をして後続を待つ。最近は高尾や立川まで115系の信州色が幅をきかして、本来のスカ色はめっきり見る機会が少なくなった、今回もそのスカ色に乗りたかったのだが、やってきたのはやっぱり信州色。待ち時間の間に甲府駅で駅弁を購入。以前は営業を行っていた業者は撤退し、今は小淵沢駅の業者である丸政が営業を行っている。そのため基本的には小淵沢と同じ駅弁が売られているのだが、「甲府駅のおべんとう」という幕の内弁当だけは甲府駅だけのオリジナルになっているようなので、この弁当を購入してみることにした。

小淵沢→甲府→高尾→東京
E257系 かいじ 115系 甲府→高尾
甲府駅のおべんとう 駅弁では珍しいグラタンが入っています。

上野原を出ると県境を超えて神奈川県に、さらに藤野、相模湖を過ぎると、都県境を越えて東京に入って高尾に到着する。高尾からオレンジ帯のE233系に乗りかえると、急に現実世界に戻ってきた感じがする。東北、高崎、常磐、東海道、中央の5方面のうち、中央線だけが、東京へは特急を除いて、通勤形しか乗入れてこないのは路線の性格とはいえ、ちょっと味気ない。高架工事に伴い、立川まで複々線にすれば、大月くらいまで中距離電車が走る余裕が生まれたかもしれないのだが、当面は複々線の計画はなく高架化だけでちょっと残念である。と言いながらも、快速は土日は高円寺、阿佐ヶ谷などは通過、若干の速達運転で新宿に到着。さらに、そのまま東京駅まで行って今回の、いや、今年の鉄納めとなった。

最後は高尾からE233系です。

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