上毛電鉄101形と東武伊勢崎線系統乗り歩き


かねがね乗りたいと思っていた、上毛電鉄の古豪101形が5月8日と15日に走るらしい。一般乗車が可能な前回は年末に走ったはずだが、この時は仕事でいけず、地団駄を踏んだのだった。ということで、当日は五月晴れ、絶好の鉄日和。浅草9時40分発りょうもう7号に乗る。今回の乗車券は、うちの中に眠っていて不良債権と化しているパスネット。(笑)。
浅草には9時頃到着。浅草にはなんと特急券専用の自動券売機もあり、パスネットも使用できるのだ。乗車列車名、下車駅、人数、禁煙・喫煙を選択して空きがあれば発券される。それから久しぶりの東武浅草駅をつぶさに観察。気が付いた点をいくつか。まずは以前はなかった特急専用ホームが出来ていた。といっても新設ホームではなく、従来からあったホームが特急専用になって入り口には綺麗どころが並ぶカウンターが設けられ、ここで特急券をチェックしてホームに入る仕組みになっている。そして、関東の駅百選に選ばれているところ。これは、銀座線、浅草線と一体となって選出されたようだが、おそらくは、東武というより、日本発の地下鉄駅、そして、寺社風の地下鉄出入り口が評価され、当時の営団地下鉄銀座線がその対象とも思われるが、都営、東武ともに、その栄誉を授かったようだ。でもって、改札口正面の電光の発車案内。10本先の電車の案内まで乗っているのはあっぱれだ。特急に乗る人は、私のように、30分くらい前にくる人も多い。そのくらい前でも十分に自分の乗る列車が確認できるというのはすばらしい。普通は、先発、次発の2本。あってもせいぜい、3、4本先 までの案内が多い中、この10本表示は評価したい。そして、先ほどから、耳に心地よい、優しい女性の特急案内放送。日本語から流暢な英語の案内とテープではなく、ちゃんと肉声である。聞いた話によると日光の観光地を抱え、東武レディーは英語必須にさらにもう一ヶ国語話せることが採用条件であるとかないとか。その上、もちろん、容姿端麗であることも望まれる。どちらにしてもスッチーに勝るとも劣らない華やかな職業であることは間違いない。さて、9時30分発のスペーシアの「けごん」が入線し、こちらは土曜日ということもあって、外人も含めて、観光客が大半を占める。そして、一方、隣にはやや遅れて当方のりょうもうの入線。こちらは、どちらかというと土曜でもビジネスマンや所用の人が多い。恐らく、御気楽な鉄なんかは自分くらいであろう。写真も撮ったし、車内清掃も終わったことで、特急ホームに入って、乗車する。指定されたのは2号車。かなり前の方だ。でここで東武浅草名物、渡り板。ホーム先端部分はすさまじいカーブのため、電車とホームの間がものすごく広く開いている。本当に半端じゃない。ということで、特急に限り、ホームとドアの間に渡り板が置かれ るのである。ちょうど、車椅子の方が乗るときに使われるようなあんな感じの板である。

浅草駅にて
東武浅草駅。関東の駅百選認定駅である。
特急ホーム入口にはきれいなお姉さんがいます。
こちらは東京メトロ浅草駅
日本初の地下鉄駅であるのに加え特徴ある出入口が評価されたもの
と思われる。
10本の列車が案内される電光掲示板。 6050系 快速東武日光・会津田島行
けごん9号 東武日光行 スペーシア100系  りょうもう・スペーシアの東武の両雄が顔を並べます。
そして今回乗車する200系 りょうもう7号 赤城行 側面のロゴ (ちょっとボケてしまいました。)
側面行先表示 LEDです。 これが浅草名物 特急渡り板です。

さて、9時40分定時にりょうもう7号は発車。すぐに急カーブを曲がり隅田川を越える。座席は40%くらいが埋まった状態である。りょうもうは北千住まで金八先生のロケ地でもお馴染みの下町をくねくねと進む。つくばエクスプレスの工事真っ最中の北千住には10分程で到着。ここで、座席がほぼ満席になり、自分の隣にも、パソコンを持ったビジネスマンが座った。北千住からは私鉄では最長の複々線区間を北越谷まで高架で進む。複々線なのだから、さぞかし、すっとばすのだろうと思い気やそうでもなく、なんとなくだらだらと進んでいく。よく考えれば、複々線と言っても緩行線は日比谷線乗り入れが主で、浅草発着する列車はそのほとんどが準急であり、これがすべて急行線を通るのわけで、急行線にさらに退避設備などあるわけないので、そんなにすっとばせるわけもない。住宅地オンリーの東京から荒川を渡って、埼玉県に入り住宅地の中にところどころ田植えが終わったばかりの水田が見られるようになり、それがいつしか、水田の中にところどころ住宅がある風景に変わっていく。けごん、きぬのスペーシアは春日部停車だが、りょうもうは春日部の代わりに東武動物公園に停車する 。浅草からは双方とも特急料金は500円。さらに、浅草午後発の列車は午後割というのがありなんと300円だ。最近はどこでも短距離の輸送にも力を入れている。その甲斐もあって、このりょうもう7号からも数名の乗り降りがあった。しかし、東武動物公園の引き上げ線に東急8500系を見るとなぜか萎える。(笑)。東武動物公園からは日光線と分かれて、左に進む。なんか日光方面へ行く方が主要ルートのように思えるが、東武伊勢崎線というくらいで、こちらが本線である。ここからは単線区間になり、周りの景色もぐっと田舎の風情がただよってくるようになる。浅草から1時間ちょっとで館林に到着。すでにここは群馬県である。つつじまつり開催中ということで、ここで約半数の乗客が降りてゆき、ホームは大変な賑わいである。館林をでると足利市ここで残りの半数が、そして太田に到着。ここで残った乗客の大半が降りてしまい、一気に車内は閑散としてしまった。ここからりょうもうは伊勢崎線と分かれて、桐生線へと入る。ここからは薮塚、新桐生、相老とこまめに停車するが、乗車している人も少なくなっているので降りる人もまばら。

赤城駅にて
赤城駅に到着です 上毛電鉄のホームから 手前の架線柱がちょっと邪魔。
赤城駅 東武と上毛電鉄の共同駅ですが、管理は上毛が行っています。 そして上毛電鉄デハ101がのたのたと入線してきました。
赤城駅に停車中のデハ101

終点赤城には、定刻の11時27分到着。赤城駅は上毛電鉄と共同で中間改札がない。パスネットで乗っているので、一度処理を行なわなければならないが、自動改札口はないので、窓口氏に申し出て処理をしてもらうが、ここの駅員は東武ではなく上毛電鉄である。同じ駅員から、当日限定発売のD型硬券の1日乗車券を800円で購入。101型は11時42分発なので、そろそろホームへと行く。すでに、鉄らしき人が何名かスタンバっている。ほどなくすると、前橋方からのたのたと茶色の電車がやってきた。おお、これか。と思わず感動。停車時間があまりないので早速乗り込む。車内は相当の混雑かと思い気やそうでもなく、空席もあるので、とりあえず、腰掛ける。動き出すと、あの懐かしい、釣り掛けの音。昔、目蒲線や池上線なんかでよく聞いたものだ。車内をざざっと見回すと、もちろん、床は木。今時、本当に懐かしい。こんな電車、もう日本に数えるくらいしかないんじゃないかな。そして、吊広告は、ちょっとやらせっぽいのだが、昭和初期のレトロ広告。「き磨歯ンオイラ」(ライオン歯磨き)や明治チョコレートなんかがある。停車駅は限られており、赤城の次は終点西桐生にな る。ゴトゴトと電車は進んでいく、振動が直接、座っているお尻に伝わる感じで乗り心地はお世辞にもよいとは言えない。

天王宿
行き違いのため天王宿に停車 今回取り付けられたヘッドマークです。
上毛電鉄の社紋とサボ 右からの表記に注目です。 中央前橋方から撮影

西桐生では折り返し26分あり、ゆっくり撮影する。先ほども言ったが、イベント列車の割には人数が多くないので、写真撮影も比較的ゆっくりとできた。ちょっと時間があるので、西桐生の駅舎をみると、こちらも昭和初期の洋風建築で趣深い。こういう駅舎は建て替えずに、長く残して欲しいものである。さて、折り返しは12時22分。土曜日で下校時間の男子高校生が、こちらを伺い、こっちに乗ってもいいのかななんて話している。特に案内もなく、こんな茶色のが止まっていればちょっとびびるのは当然だが、もちろん、貸切でもなく、乗車券さえもっていれば誰でも乗れるのだが、案内はなにもない。結局、高校生は、反対のホームに止まっている700系(元京王3000系)に乗っていってしまった。せっかく地元の高校生にも乗車チャンスがあったのだからきちんと案内すれば、高校生にもよい思い出になったのにとちょっと上毛電鉄の対応が悔やまれる。なんて思っていると女子高校生が3人乗ってきて、「この電車ちょーすごくない?」と言って、自分の前の席に陣取った。(笑)さすが、女子高校生。
とくに断りがなければ、乗れないと思うのが男。
とくに断りがなければ、乗れて当然と思うのが女。
さすが、かかあ天下、群馬である。将来、こういう女がこういう男を尻に敷くのかって思うとちょっと怖くなった。(笑)。

西桐生にて
西桐生駅 モダンな西洋建築です。 元京王井の頭線3000系の700系です。
西桐生に停車中 中央前橋方は貫通 西桐生方は非貫通です。
西桐生−中央前橋のサボ 反対側は中央前橋行のサボ
デハ101の表記 形式・自重・定員

さて、電車は来た道を戻り、再び赤城に到着する。ここで、また若干の鉄を加えると、立ち客もちらほら出始める。もっとも、かぶりつきのために、座席が空いていても立っている鉄も少なからずいたのだが...(笑)。電車は快速運転なのだが、各駅では徐行をしながら通過。知らずに駅で待つ人は、この電車を見て一様に驚いている。女子高校生達も自分達の下車駅で、それぞれ降りていった。

車内の様子
床は木張りです。 袖仕切りも木です。そして優美なデザインが施されています。
ドア上の路線図 反対側は別の路線図になっています。
運転台の様子 昔の広告です。値段に注目です。
「磨歯ンオイラ」?「ライオン歯磨」のことです。
竹久夢二調の女性がいい感じです。
こちらはキリンレモンです。

大胡の車庫には、もう1両、黄色塗装の骨董品が止まっているのだが、居合わせたファンの方の話では、こちらは、倉庫代わりでもはや動かないとのこと。残念ではあるが、倉庫としても残っていることを評価しよう。しかし、ちょっと塗装が剥げていて痛々しい。たまにはちゃんと塗りなおして、こういうイベントのときなど車内を開放したりすれば、もっと人も集まるのでないかと思った。西桐生から約1時間13時21分に中央前橋に到着。中央前橋構内では、記念乗車券や記念グッズの発売が行なわれており、電車が到着すると、さっそく鉄が群がった。当然、自分も群がった一人だが、とくに目ぼしいものもなくなにも買わずに、101形をもう1度撮影して、改札口を出た。

大胡にて
大胡に到着しました。 大胡にはデハ104もあります。
こちらは動かないようでひどく痛んでいます。せっかくここまで残って
いるので、塗装し直してどこかに保存して欲しいものです。

さて、この中央前橋駅はJRの前橋と若干離れているのだが、電車の到着に合わせて100円のシャトルバスが運行されている。早速乗って見ることにしたが、101形は臨時電車なので、これに接続するバスはなく、そのあとに到着する電車の接続バスを待つ。おなかもすいてきたので、売店で、ヤマザキのコロッケバーガーとてりやきバーガーをそれぞれ105円で購入。やってきたバスはレトロ調のバスでこれまたいい感じだ。前橋の市内は広い道路にケヤキ並木が続き、実に清々とした街だ。バスの乗車時間は10分も乗ったであろうか、正味5分くらいでJR前橋に到着した。利用者もそこそこおり、これはなかなかいい案で、他の場所にも導入してもよさそうなシステムである。

中央前橋にて
中央前橋に到着です。 行先が臨時になっています。
群馬県の県庁所在地のターミナル駅とは思えないような川べりの
のどかな駅です。
側面の様子です。
700系とデハ101の並び 中央前橋駅
上毛電鉄の到着にあわせて出発する 前橋中央−JR前橋駅間の100円バス
レトロタイプバスが使用されています。
JR前橋駅

前橋は群馬県の県都、県庁所在地であるのだが、鉄道にはあまり恵まれておらず、JRは1時間に2、3本の両毛線があるのみ。時刻表を見上げると、あと2分程で小山行がくることが判明。慌てて、オレンジカードで切符を購入。ホームへと急ぐ。今回は極力現金は使わず、不良債権の処理に徹する。(笑)やってきた列車は107系の4両編成。下回りは先ごろ姿を消した165系であるが、車体はJR化後に全くの新制のため、言われないと分からない。というか、自分も最近になってこの事実を知る。(笑)ちょうど高校生の下校時間と重なり、4両編成の電車はそれなりに混んでおり、シルバーシートだけが空いてる状態。周りに譲るべく人もいなさそうだし、私も、もう三十路半ばで人生後半に入っているわけだから、遠慮なく座らせて頂いた。見れば向かいのシートには高校生だって座ってるわけだから、俺が座ったってどういうことないわけだ。(笑)ということで伊勢崎までの間、先ほど買った、バーガー類をたいらげる。

伊勢崎にて
両毛線107系 伊勢崎駅 JR・東武共同使用駅です。管理はJRです。

伊勢崎からは当然、東武伊勢崎線。東武の本線の終点なのに駅はJRと共同の上、駅員もJRである。中間改札もないのだが、ここから再びパスネットを使いたいので、1度、外に出る。改札口にはJRのSUICA対応の自動改札機がずらりと並び、当然、西船橋のようにパスネットにも対応かと思われるのだが、小さく、「パスネットをご利用の方は駅員にお申し出下さい。」とテプラの注意書きが貼ってある。なんだよ。って思いながら有人改札でパスネットに入場記録をしてもらう。しかし、この駅、駅員が1人勤務のようで、みどりの窓口から改札業務、お客からの問い合わせ、各種もろもろの雑用でてんてこまいの様子。そんな中、目の不自由なお客が跨線橋を超えた2番線に行きたいというが、駅員は他の事で忙殺されており、もう少し待って欲しいとぞんざいに告げる。するとその方は一人で行けますからと行ってしまった。ということで、東武の発車まであと15分以上もあるので、おせっかい野郎の私が、2番線までお連れすることにした。最近、鉄道会社は人件費を抑えるためにやたら人員削減をしているが、それも、経営上分からなくもない。しかし、本当にこれでいいのかちょっと疑 問を持つ時がある。今回も場合もそうだし。昔は、改札口にもホームにも駅員さんがどこでも見られて、分からなければ、すぐに聞くことができたが、最近は、ホームに駅員がいることはほとんどなく、改札口でも有人ラッチが1箇所で、精算や、他のお客につかまってることが多い。よく、車掌が、「詳しくは駅係員にお尋ねください。」って放送するが、その駅係員が少なく、なかなか聞ける状態ではないというのが現実だ。東急が1部の駅で配置しているが、駅スタッフみたいなものを他社でも広めてはどうかと思う。案内や、障害を持つ方の手助けであれば、なにも正社員じゃなくても勤まるわけで、学生のアルバイトや、定年退職後の駅員OB、シルバー人材なんかを活用すれば、人件費を低く抑えることができ、お客様にも十分なサービスが行き届くと思うのだが。ハード面のバリアフリーも結構だが、ソフト面のバリアフリーを考えるときがきているように思える。

8000系 準急浅草行 伊勢崎駅 太田に入線してきたりょうもう28号

ちょっと無駄話をしてしまったが、伊勢崎14時25分発の準急浅草行で出発。この区間は東武本線と言えども、1時間に1本しか電車がない。太田から小泉線に乗ろうと、ろくに調べもせずに降りてしまい、高架工事真っ最中の小泉線ホームに行って、愕然とする。あと50分近く電車がないのである。このまま待つのも時間の無駄ということで、館林まで行って、そこから小泉線に乗ることに変更した。しかし、今度は浅草方面に行く列車も30分以上こない。はまったな。(笑)。で、よく見ると、あと10分後に、りょうもうが。
仕方ない、この際、贅沢して館林までりょうもうに乗るか。しかし、小田急なんかでよくみるホームでの特急券売機が見当たらない。仕方なく、改札口で聞くと、そのまま出て構わないので、そこの窓口で現金で特急券を買ってくれとのことなので、500円で館林までの特急券を購入。再度ホームに戻ると、りょうもうに乗る人がそれなりに長い列を作っている。このあたりにはりょうもうは結構人気列車のようだ。どうせ短い時間だから、特になにも指定しなかったので、2号車の喫煙車になった。しかし、普段、吸わないと、やっぱりタバコの匂いというものは嫌なものだが、本当に20分足らずのことなので我慢する。しかし、6両編成のうち、4両が禁煙車で、2両のみが喫煙車ということであるところを見ると、今や、禁煙車の方が人気があるのだろう。だったら、デフォルトでも禁煙車を出してくれればいいのに。太田の次はすぐに足利市に停車。ここでも大量に乗車してくる。そして、10分ほどで、館林に到着。さらにここでも大量の乗車があるが、なぜか降りる私。(笑)

佐野線
元りょうもう1800系は改造の上、佐野線で使用されています。 館林駅

さて、小泉線、佐野線、どちらでも早い方に乗ろうと思ったのだが、両方とも15時23分発。それでは、小泉線の方からと5000系の停車する小泉線ホームへと行く。5000系は8000系と同じ車体を持ち、8000系大国の東武の中では一見、なんでもない存在に見えるが、実は、メカ的には、釣り掛けモーターを使用しているのである。元を正せば旧国電の63系、そして東武7800系の下回りを利用し、車体だけを8000系に乗せ替えた車両なのである。現在、その数を急速に減らしてきており、ここ館林地区と野田線に残るのみとなっている。車内で発車を待っていると、向こう側に佐野線が入線してきた、車両は1800系。元りょうもうの改造車である。この1800系改造車にも乗ってみたいとのことで、小泉線を裏切り、フラフラと佐野線に乗ってしまう。塗装はりょうもう時代の赤から東武の通勤電車使用の白にブルーラインに塗り替えられてしまっているが、前面の愛称版が行先表示のLEDになった以外は目立った変化がない。車内は、デッキが大きく取り払われ、トイレ、洗面台も撤去されている。また出入口付近の座席も3、4列撤去されており、その部分には吊革が設 けられている。しかし、座席自体は、向かい合わせに固定されてしまっているものの、モケットを含めて、往年のまま。元急行車のふっくらとしたシートは通勤方のロングシートとは比べ物にならないくらい快適である。こうして、昔のりょうもうの車両が形は変えたとしても乗ることができるのは、やっぱり鉄道ファンには嬉しいものだ。佐野線はちょうど、今月号(04年6月号)の鉄道ジャーナルにも記事があるが、先日まで、貨物列車が行き来していた路線でもあるが、それも過去のものになってしまった。渡良瀬川を超える鉄橋では2人漕ぎのレガッタ2隻がこちらに手を振る。ここで群馬県から栃木県に入る。佐野厄除大師でお馴染みの佐野市を過ぎ、JR両毛線をオーバークロスして大きく左にカーブしてJRと平行して佐野に到着、佐野を出ると今度は大きく右にカーブして更に北へ進む。そして40分程揺られると終点葛生に到着。元貨物駅で現在は使われていないだだっぴろい構内を見ると夕方になってきたことも手伝い、惜寂感がただよう。駅舎やホームを簡単に散策をして、そのまま折り返しに電車に乗車し、館林まで戻る。

葛生駅にて
葛生駅 駅名標 ここは栃木県です。 葛生から先は貨物線が続いていましたが、今は廃線になりました。
葛生に到着した1800系 車内の様子。デッキがなくなり1部座席が撤去され、
座先も向かい合わせに固定されましたが、それでもまだ
当時の面影が残っています。

今度こそ、小泉線。ところが止まっていた電車は5000系ではなく8000系更新車。がっかり。夕方になり、運用が増えて、車庫からのこのこと出てきたのだ。仕方ない、とりあえず、この電車に乗って西小泉まで行く。小泉線は館林−太田と途中の東小泉−西小泉の盲腸線を持つ路線だが、運行形態は、館林−西小泉がメインで、東小泉−太田が折り返し運転になっている。東小泉は分岐駅になるわけだが、これまたのどかな1面2線の駅で、とても分岐駅などと思えない。東武の駅名標には都道府県名と市町村名が入っているが、不思議なことに、東小泉も西小泉を群馬県大泉町に属している。なんでだろう〜。(笑)。しかし、駅名標に住所が入っているのは、旅人にとってはいいもので、ここってなになに県なんだとか、ここはなになに市なんだって、ちょっとした発見になる。さて西小泉は、その昔、熊谷線の妻沼から利根川を越えて繋がる予定だったが、結局、熊谷線が廃止になってしまい、その夢を果たせず、ひっそりとした終端駅になっている。そのひっそりとした雰囲気とは裏腹にどこかの中学校の行事があったのか、トレパン姿の生徒が大挙して乗り込んできて、車内は遠足列車のよう な賑わいとなった。こりゃたまらんなと思ったが、東小泉までの辛抱だ。東小泉からはいよいよ最後の行程である、太田へ向かう。対面のホームに太田行きが入線しており、騒がしい車両をあとにして乗り込む。こちらは8000系のワンマン列車。途中駅は竜舞だけですぐに太田に到着した。さて、とりあえず、全部乗ったはいいが、5000系に乗れなかったのがちょっと心残りだ。とりあえず、伊勢崎線ホームにいくと、次は18時23分発のりょうもう40号。まだ若干時間がある。しからば、14分発の小泉線できた道を館林まで戻ろう。というのも、行きに途中駅で5000系とすれ違っていたので、これで折り返せば東小泉からその5000系にあたると思ったからだ。これは見事に的中。東小泉から念願の5000系で館林に帰ってくる。8000系そっくりの面持ちのくせをして走行音は午前中にのった上毛電鉄101形のようなうなるような釣り掛け音を響かせ走りだす。

小泉線
小泉線 5000系 8000系の車体を持っていますが、メカは吊り掛けモーターです。
小泉線 8000系更新車 西小泉駅名標 小泉なのに、町名は大泉町です。
西小泉に到着。折り返し館林行8000系更新車 東小泉駅で待機中の太田行ワンマンカー

館林には18時36分に到着し、これで、今回も目的は全て達成。しかも、太田を18時23分にでてきたりょうもう40号は館林では18時50分発。同じ列車に十分間に合うどころか太田−館林間は特急より小泉線の方が早いのだ。というのも、伊勢崎線の方は足利市を経由するため北に大きく迂回するのだが、小泉線の方はやや南に回るものの、ほぼ直線に結ぶから距離もだいぶ近いのだ。また特急は足利市で多くのお客を乗せるために、かなりの停車時間があるのも原因の1つになっている。ここで、また特急券を買い求める。同じくパスネットなので、その旨、駅員に話すと、同様に現金にて外で買うように言われる。なぜ、現金を強調するのかが前回もよく分からなかったのだが、当然、今、使用中のパスネットで買う事ができないためである。すぐ手前に自動券売機があるので、ここで浅草までの特急券を購入。なんと、夜割指定列車であったため800円で済んだ。そして支払いは、現金ではなく、まっさらの未使用の1000円券のパスネット。つまり使用中のパスネットのほかに、もう1枚パスネットを持っていれば、現金払いじゃなくても大丈夫なのだ。ま、当然だけど。
さて、この時間の上りのりょうもうは下りの本数確保のため30分ヘッドで運転されており、夜割が設定されるほどであるのでかなりすいている。夕方の列車とは偉い違いだ。ちなみに、りょうもうの各割引列車は以下の通り。特急料金が各区間200円〜250円安くなる。

午後割   夜割
りょうもう13号 浅草12時40分発   りょうもう38号 太田17時58分発
りょうもう15号 浅草13時40分発   りょうもう40号 赤城17時58分発
りょうもう17号 浅草14時40分発   りょうもう42号 赤城19時02分発
りょうもう19号 浅草15時10分発   りょうもう44号 赤城20時07分発
りょうもう21号 浅草15時40分発      
りょうもう23号 浅草16時10分発      
りょうもう25号 浅草16時40分発      
太田駅はただ今、高架工事真っ最中です。 側面方向幕 この車両は「幕」でした。
りょうもう40号 浅草に到着です。 帰りの有楽町線も東武9000系でした。(笑)

りょうもう40号は、行きには停車しなかった羽生、加須にも停車しながら進むが、両駅からは大した乗り込みもなかった。東武動物公園に到着間際に乗り換え案内が入る。
「北越谷まで各駅に停車する区間準急中央林間行きは...」うわ〜。ここから実家のたまプラーザまで行けちゃうんだね。行きにも似たような感想を持ったのだが、なんとも気の遠くなる話だ。東武動物公園を出て、その北越谷を通過すると複々線区間に入る。夜だから大して景色も見えないがぼんやり外を眺めていたら、いつのまにか、北千住に到着。少ない乗客の大半が降りてさらに車内は寂しい状態に。鐘ヶ淵のダブルスリップを渡り、東武博物館のある東向島を過ぎ曳舟の半蔵門線直通線を下に眺めると、まもなく隅田川を越え車輪の軋むカーブの後に終点浅草に到着した。行き同様ホームと車両の渡り板を渡り、特急改札口では、綺麗どころの東武ガールが、乗客にありがとうございましたと一礼する。
こうして、今回の鉄も無事終了。皆さんも家で眠っているパスネットを使ってこんな感じの東武巡りの鉄はいかがでしょう。現金はほとんど使わずにかなり濃い鉄ができますよ。(笑)


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