山陰・中国地方 ローカル線紀行  後編 & 大阪新規開業路線巡り


3月23日、今日は姫路駅から姫新線に乗ることから始めます。姫路駅は高架になっているのだが、この姫新線が発着するホームは地平にある。車両はオレンジと肌色のツートンカラーのキハ47。左に山陽線の高架を見ながら出発、すぐに右にそれていく。姫路は比較的大きな都市だと思っていたが、すぐに田園風景が広がってくる。この列車は途中、播磨新宮止まり。播磨新宮では、当駅止まり、佐用行、姫路行と3本の列車が集う。こんな田舎の駅に国鉄型気動車キハ47が3編成が顔を揃えた様は壮観である。

姫新線 姫路→播磨新宮→佐用
姫路駅 姫新線 播磨新宮行 キハ47
出発を待つキハ47 姫路駅は山陽本線部分は高架になっていますが、
姫新線は地平にホームがあります。
播磨新宮駅 
3編成のキハ47が集い、束の間の賑わいを見せます。
手前が姫路からの到着列車。奥が姫路行です。
播磨新宮止まりの列車です。 佐用行 キハ47
佐用に向けて出発します。 播磨新宮 佐用(さよ)に到着です。

佐用からはキハ120、昨日も紹介したが、現在、JR西日本の非電化ローカル線の主力となっている車両である。さて、姫新線の中間点である津山に到着し、ここで次の列車まで47分程時間があるので、津山駅の幻の駅弁、しいたけ弁当を求めに行く。かつては津山駅構内で売れれたいたれっきとした駅弁だったが、鳥取から岡山までの急行砂丘が特急格上げの上、智頭線経由となり、津山を通らなくなってしまい、ローカル列車が日に数本、細々と行き交うだけの駅になってしまった今では、駅弁を取り扱う程の旅客もなく、撤退。それでも、駅からすぐそばの商店街に店を構えて、購入することができたが、2002年に火事を出してしまい、駅前の店もなくなって、久しく行方不明になっていたが、駅から徒歩15分の津山観光センター内の食堂「よし乃」で当時と同じしいたけ弁当を入手することができるとのことで、行ってみることにした。駅前の道をまっすぐに進み、5つ目の信号を右に曲がって少し行ったところである。店は開店前だったが、店に入って頼むと約5分程で用意してくれた。店内にも幻の駅弁の張り紙がしてある。数個でもいいので、昼時にKIOSKにでも置けばいいと思う のだが、値段も630円と格安なので、コンビニ弁当代わりに売れるのではと思うのだが、やはり売れ残りのリスクを考えるとなかなか思い切れないのであろう。

佐用→津山
津山行 キハ120に乗り換えます 佐用駅 津山駅
津山駅 駅名標 津山駅構内
津山駅 幻の駅弁 しいたけ弁当 中身はしいたけと錦糸玉子、鶏そぼろです。

そのしいたけ弁当をたなえて、姫新線をさらに新見へと向かう。新見は伯備線、芸備線との乗り換え駅となり、特急やくもの停車駅でもあるのだが、この駅もおおいに賑わっているというわけでもなく、時刻表の駅弁マークも消えてしまっている。しかし、構内のキオスクでは、注文すると約20分程で駅前にある仕出屋から幕の内弁当を届けてくれる。ということで早速注文。津山といい、新見といい、現在は駅弁を調達するのも一筋縄ではいかない時代となった。世間でのデパートの催し物の定番である駅弁大会は鉄道ブーム、グルメブームにのって盛り上がっているのだが、所詮そういうお祭りでのお話で、これが、現実である。

津山→新見
津山から昨日乗った津山線が分かれます。 芸備線新見行 キハ120系
新見駅 新見駅 駅名標
新見から芸備線、備後落合へと向かいます。 後ろから撮影
新見駅 幕の内弁当
構内のKIOSKに注文すると20分程で届けてくれます。
中身はおかずたっぷりの幕の内弁当です。

新見からは芸備線に乗りかえる。芸備線の起点は2つ先の備中神代なのだが、芸備線のすべての列車は新見始発となり、事実上新見が起点となる。とは言うものの、途中の東城までが1日6本、備後落合へ行く列車は朝、昼、晩の3本しかない。西日本一のローカル線と言っていいだろう。それでも備後落合ではこの先、三次まで行く芸備線、木次線とともに、3本の列車が合いまみれて一瞬の賑わいを見せる。備後落合からさらに芸備線で三次へと向かう。三次からは少し運転本数も多くなり、広島までの優等列車である快速みよしライナーも2時間に1本ほど走る。その快速みよしライナーで広島へ向かう。乗車率は今までと打って変わって多くなり、席に座るのがやっとくらいの混雑ぶり。1時間半ほどで広島に到着した。これで、姫路から,中国山地を縦貫して広島までなんとかやってきた。

新見→備後落合→三次→広島
備後落合駅 備後落合駅 駅名標
時刻標 
新見、三次、宍道、どちらに行くにしても本数が極端に少ないです。
折り返し新見行になります。
木次線 出雲横田行 1日3本の木次線
芸備線 三次行 三次へ向けて出発を待ちます。
14時前後の束の間、写真の2本の芸備線、木次線の
3列車が山間の駅に集います。
快速みよしライナー 広島行

広島からは今夜の宿になるムーンライト九州を捕まえに山陽本線をひたすら西進する。広島18時発の山陽線は下関までのロングラン。4時間近く続けて走る。しかもこの列車は広島の手前、瀬野発なので、本当に長い区間を走る。予定では下関まで行って、下関からムーンライト九州に乗る予定だったのだが、少し時間的に余裕があったので、ここで乗り換えて門司まで行くことにし、九州上陸を果たす。

広島→下関→門司
広島駅 広島電鉄 元京都市電1900形
広島駅 びっくりたこめし 炊き込み御飯の上にタコ、タコの天ぷら、銀杏が
のっています。
広島→下関 115系 西日本色 115系 広島色
下関に到着しました。 117系の原色に出会いました。
415系 
関門トンネルを抜けるためJR九州所属の交直流形になります。
415系1500番代 九州色
門司駅 九州上陸を果たしました。 門司駅 駅名標もJR九州タイプになります。
415系 787系 きらめき4号

門司ではわずか10数分の滞在でムーンライト九州に乗り込む。ここで機関車がED76からEF81へと付け替わる。関門トンネルを通って下関で再度、機関車がED81から直流用のEF65へと付け替えられる。このまま起きていても仕方ないので、リクライニングを倒して眠りについた。

ムーンライト九州 門司→新大阪
ムーンライト九州 発車案内 門司駅 ED76を先頭にムーンライト九州の入線です。
14系客車 ムーンライト九州 テールマーク
関門トンネルを抜けるためにEF81に機関車が付け替えられました。 側面方向幕
夜明け前の姫路駅に停車 
下関から機関車はEF65へと変わります。
14系客車も現在は珍しくなった。
終点新大阪に到着です。 EF65 1124
機関車が客車を引く列車自体が珍しい存在となってきました。 かつては展望席が連結されていたが、
現在は連結はされていない。

ムーンライト九州を終点新大阪で下りて、今日の1日はここから始まる。前日までとは趣向をかえて、大阪圏でここ数年新規開業して未乗になっていた路線に乗りにいくことにする。まずはじめは大阪モノレール彩都線、阪大病院前〜彩都西へと向かうべく、地下鉄御堂筋線、北大阪急行で千里中央へと向かう。

新大阪→千里中央
283系オーシャンアローと出会いました 新大阪 地下鉄御堂筋線に乗り入れる北大阪急行8000系
大阪市交10系 こちらは21系

大阪モノレールはモノレールなのに、正式名称というか会社名は大阪高速鉄道と言う。高速鉄道というとどうも新幹線を想像しがちだが、そうではなく、路面電車のように車との併用軌道でなければ、基本的に高速鉄道と言うようである。また大阪モノレールは世界一長いモノレールということでも有名である。
 まずは千里中央から万博記念公園まで行く。万博記念公園で彩都線に乗り換える。車両はど派手なラッピング広告を施した車両。東京ではここまでものはなかなかお目にかれない。彩都線沿線はまだ開発途中で、高層マンションと空地がまだらのようにある。阪大病院前〜彩都西は2008年3月に延伸された新線区間である。将来的にはさらにその先、彩都東まで延伸の計画があり、その先の空間が確保されている。再び、万博記念公園まで戻り、今度は大日まで行く。

大阪モノレール 千里中央→彩都西→大日
派手な全面広告のラッピング広告が多く走っています。 2000系 オリジナル塗装です。
彩都西駅 駅名標 彩都西駅
駅舎の全景です。 引き上げ線から入線してきます。
ここでモノレールの軌道が終わります。 この先、彩都東までの延長計画があります。
車窓からは万博公園の太陽の塔が見えます。 全農しんたまご 広告車
彩都西行 2000系 黄帯です。
門真市行 モノレールの車窓から見える新幹線大阪車両所(鳥飼車両基地)

大日で、地下鉄谷町線に乗り換えて、太子橋今市へ行く。2007年12月に開業した新路線、今里筋線に乗りに行く。今里筋線は今堀鶴見緑地線同様のリニア式ミニ地下鉄である。また、大阪の中心地を通らない初の地下鉄となる。まずは太子橋今市から井高野まで行く。井高野駅は出入り口がラインカラーのオレンジ色に縁取られていて印象的である。井高野からは折り返し今里へ向かう。

大日→太子橋今市→(今里筋線)→井高野→今里
谷町線 30系 今里筋線80系
太子橋今市駅 駅名標 今里筋線 路線図
井高野駅 オレンジのアーチ形出入り口が印象的です。 井高野駅 駅名標
井高野駅に到着した今里筋線 ホームの様子 ホームドアがあります。
今里駅 駅名標 今里駅に到着です。

そろそろおなかがすいてきたので、今朝、新大阪で仕入れた駅弁、「大阪すし」を食べる。太巻きと5種類の押し寿司のセットになっていて、見た目もきれいだし、なかなか美味しい。大阪ではおすすめの駅弁である。

新大阪で仕入れた大阪すし 太巻きと押し寿司のセットです。

今里筋線訪問のあとは、この春に開業したばかりのおおさか東線へと向かう。千日前線で鶴橋に出て、大阪環状線で天王寺へ。天王寺で大和路線に乗りかえる。大和路線には東海道線から転出してきた201系はウグイス色になって入っている。首都圏ではついに登場することはなかったが、ここ大阪で登場することになった。

今里→久宝寺
千日前線 25系 大阪環状線を走る221系大和路快速
103系王国だった大阪環状線にも201系が入るように
なりました。
関西線にはウグイスの201系が走っています。

おおさか東線は城東貨物線の旅客化で、関西線(大和路線)の久宝寺から片町線(学研都市線)の放出(はなてん)を結ぶ路線である。そして大阪の東側を縦に走っているのでJR俊徳道では近鉄大阪線と、JR河内永和では近鉄奈良線と、高井田中央では地下鉄中央線とそれぞれ乗り換えが可能であり、縦の連絡が便利になった。将来的にはさらに新大阪まで延伸する計画である。新大阪までつながるとさらに便利になると思われる。久宝寺からはウグイスの201系、反対側のホームには東日本では絶滅した103系がまだ健在である。

おおさか東線
久宝寺駅 駅名標 関西線の久宝寺から分岐します。 運賃表の路線図も変わりました。
時刻表 日中は1時間に4本の運転です。 LED発車案内
東日本では絶滅した103系はここではまだ健在です。 201系 放出行
放出駅に到着です。

放出からは学研都市線で北新地へ。北新地・大阪は徒歩連絡で地下街を10分ほど。京都市営地下鉄東西線の新線区間に乗るべく京都へと向かう。京都からは烏丸線で烏丸御池へ。御池からは東西線に乗りかえる。二条から先、太秦天神川までが、新線区間となる。東西線は今回の延伸に伴うダイヤ改正から京阪京津線からの乗り入れ区間を京都市役所前から太秦天神川まで延長して、利便性を高めている。終点の太秦天神川は京福電鉄の線路が近くを通っているということで、嵐電天神川駅が新設されるのだが、この駅の開業はあと3日後。出来れば、東西線延伸に間に合わせて欲しかったところだ。
これで、関西圏で乗り残していた新線の4路線を乗り終えることができ、久しぶりに日本全国JR・私鉄全線の完乗状態となった。

放出→北新地・大阪→京都→太秦天神川→二条→京都
223系 新快速 大阪→京都 京都市営地下鉄10系
近鉄3700系も乗り入れてきます。 東西線路線図
太秦天神川駅 駅名標 ホームの様子 京阪の車両も乗り入れるようになりました。
太秦天神川駅 太秦天神川駅 出入口
京福電車にも駅ができます。 地下鉄二条駅

太秦天神川からはそのまま二条まで折り返し、山陰線で京都へ向かう。園部までは電化されて近郊電車への脱皮をはかっているのだが、まだ単線で、本数も頻繁にくるというほどではない。

二条→京都→米原
JR山陰線 二条駅 ホームから大文字焼が見えます。
タンゴディスカバリー 113系 山陰線用の113系には白帯が入っています。
113系 西日本色 二条駅 223系 新快速米原行
京都駅 お弁当 掛紙は京都らしいものです。 中身です。

今回の予定は全て終了したので、後はひたすら東京を目指すだけ。米原、大垣と乗り換えたまでは順調だったのだが、大垣からの新快速豊橋行が岡崎を出たところから、様子がおかしい。下り列車に遅れが生じているため、この上り列車を蒲郡で運転を打ち切り、折り返しの下り列車になるという。上りは後続の特別快速に乗りかえなければならないらしい。今回はそんなに遅い時間でもないし、東京までの最終ぎりぎりになるわけでもないので、ま、仕方ないかな。ここで少しつまづいたが、その後は順調に乗り継ぎ、なんとか東京まで無事帰還した。これで、4日間にわたる山陰・中国地方 ローカル線紀行を無事終えることができた。

米原→大垣→豊橋→東京
米原駅で出会った683系しらさぎ 117系 米原→大垣
223系と117系の並び 313系新快速 大垣→蒲郡
豊橋行だったのですが、ダイヤ乱れのため蒲郡で運転打切りに
なってしまいました。
313系 特別快速 蒲郡→豊橋
蒲郡から後続の特別快速に乗り換えました。
211系 静岡→熱海
熱海駅 桜海老とじゃこの海物語 中身はご飯の上に桜海老、じゃこ、
桜海老のかき揚げがのっています。
今回もグリーン車でのご帰還です。 東京に帰ってきました。E231系

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