樽見鉄道・長良川鉄道 巡り


’07〜’08 冬の18きっぷでの最後は樽見鉄道と長良川鉄道に乗りに行くことにした。毎度のことながら、東京駅でまもなく引退する銀河の見送りから始まる。

東京駅 出発前のひととき 
3月14日で廃止になる寝台急行銀河
銀河テールマーク 銀河を牽引するEF65

23時10分発ムーンライトながらで大垣へ向かう。18きっぷシーズンは毎度のことながら、本日も満席である。本来であれば、指定券がない乗客は乗れないはずだが、デッキには数名づつ指定券のない乗客が乗り込んでいる。車掌がどういう取り扱いをしたのかは分からないが、いいのかな?これが客室まで入ってくるようになったら、なんのための全車指定なのか分からなくなってしまう。

東京→大垣
373系 快速ムーンライトながら
ムーンライトながら ヘッドマーク 側面方向幕

大垣でほとんどの乗客が米原方面に乗り継ぐため、接続の加古川行に急ぐなか、7番線の樽見鉄道のりばへと行く。始発電車はすで入線しているが、乗客はまばら。樽見鉄道は国鉄から第3セクターになった直後は、業績が良かったようで、樽見まで延伸したのだが、現在は貨物の取り扱いがなくなって、状況が一変して台所事情が苦しくなってきて、一時は廃止も検討されるところまできていた。今はなんとか残そうと、いろいろ集客策が模索されている。

樽見鉄道 大垣駅
大垣駅 樽見鉄道のりば案内 樽見鉄道 大垣駅事務室
ハイモ295−315 池田満寿夫デザインの車両です。
石原詢子が歌う淡墨桜のステッカーも貼られています。 側面が分かるように少し斜めから撮りました。
樽見鉄道線のりば ハイモ295−516 樽見鉄道オリジナル塗装です。

現在、樽見駅は工事中らしく、駅舎もない状態。町中からも少し離れた場所にあり、駅前の様子は少し寂しい。

樽見駅
樽見駅 樽見駅に到着しました。
樽見駅 駅名標 時刻表 日中は1時間半に1本の運転です。

本巣駅には車庫があり、大垣からの折り返し列車もあり、樽見鉄道の中核となっている駅である。側線には以前使われていた客車やトロッコ用の車両の廃車体が留置されている。客車はともかく、トロッコは春から秋にかけての土日に運転すれば、観光客誘致につながるのではないかと思うが、活用されずに少々残念である。

本巣駅
以前走っていたトロッコ用客車 現在は廃車になって本巣駅構内で留置されています。
こちらは以前、平日の朝に1往復していた14系客車。現在は廃車になっています。
だいぶ退色が進んでいます。 ハイモ230−314 モレラ号
ハイモ230−313 ハイモ230−301

大垣に戻ると、大阪からのワイドビューひだ23号が入線。ひだを見送ると、特別快速が入線。岐阜へ行く。岐阜に着くと先ほど先発したワイドビューひだ23号と名古屋からのワイドビューひだ3号の併結中。ここで追いついてしまうところが鉄道って面白いところである。岐阜からは高山線で美濃太田へ。キハ11の太多線直通の多治見行である。この列車、送り込みも兼ねているのか美濃太田まで4両編成で、今時、珍しい長編製である。右側車窓には名鉄各務ヶ原線とつかず離れず並走する。鵜沼で再度、名鉄と近づき、向こうは右方向に曲がって新鵜沼に。鵜沼を出てすぐに、名鉄から、枯れ草に覆われた短絡線が近づいてくる。かつて名鉄新名古屋から高山まで直通運転された「北アルプス」はここを通ってきたのだが、今はここを通る列車はなくなってしまった。

大垣→岐阜→美濃太田
キハ85 ワイドビューひだ 大垣駅 313系 特別快速
キハ85−100
ここから大阪からのひだ23号と名古屋からのひだ3号が併結します。
キハ11 岐阜発高山線・太多線経由多治見行
キハ11 美濃太田まで4両編成です。 美濃太田駅

 美濃太田駅には、今時、この程度の規模の大きさと言っては怒られるが、駅弁が存在する。それもちゃんと列車が到着する毎に、ホームや跨線橋上で懐かしい立ち売りを行う。この日は松茸の釜飯1種類だけだったが、県都岐阜駅でも取り扱いがなくなった駅弁がこうして残っているところを評価したい。近年、中小規模の駅から、駅弁業者がどんどん撤退しているなか、この美濃太田駅は、これからも頑張って欲しい。
 美濃太田からは一度改札口を出て、長良川鉄道に乗る。美濃太田から終点の北濃までの片道運賃は1500円だが、土日、祝日限定で発売される1500円の1日乗車券を購入。単純に終点まで往復するだけでも3000円かかるので、半額になるので、長良川鉄道に乗りに行く人は、土日、祝日が絶対お勧めである。
単行の列車の車内は座席が全て埋まるくらいの乗車率。とりあえず出入口付近のロングシート部分に座る。途中の関で地元の客が若干降りる。かつてはここで名鉄美濃町線と接続していたが、今は、この長良川鉄道しか関にはきていない。美濃市でさらに地元客がおりたので、ボックスシートに移動。さて、少し車内が落ち着いてきたので、美濃太田で買った松茸の釜飯を食べる。釜飯と言っても容器はプラスチック、茶飯の上に、鶏肉、わらび、蕗、そして、松茸のスライスが4枚、付け合せは別容器に名古屋名物の守口付けが2切れ。これで950円。しかし正直言ってあまり美味しいものではなかった。極めつけが、上にのせられた赤いチェリー。色どりだとは思うのだが、これがさらに安っぽさを出してしまっているような気がする。赤っぽいものを入れたかったのならば、芝漬けやシソ付け、山ゴボウなどを入れた方が良かったのではないかと思う。それでも、上記したように、駅弁が売っているだけでもありがたいと思わなければならない。
 列車は美濃市を過ぎると車窓が田園風景に変わっていく。1時間ほど走ると「みなみ子宝温泉」に到着。ここでは駅に日帰り温泉が併設されており、電車の往復運賃だけで温泉施設を利用できる企画券も発売されていて、多くの利用客があるようだ。ここで家族連れや年配の乗客がごそっと降りてしまい、車内は閑散となってしまう。さらに30分程走ると郡上八幡に到着。観光地ではあるのだが、季節が悪いのか、乗降はあまりない。また駅も無人で少々寂しい。

長良川鉄道 美濃太田駅
美濃太田で出発を待つ ナガラ3形
松茸の釜飯 美濃太田駅 陶器製に見えますが、プラスチック製の容器です。
茶飯の上に松茸が4枚のっています。
付け合せは守口漬けです。

さらに30分程走ると終点北濃に到着する。乗客は5人程いたが、全員が鉄のようで、折り返し列車まで待つようだ。北濃から越美北線九頭竜湖までは約20km程だが、残念ながら現在の状況では、ここが繋がる見込みは皆無である。以前はここから九頭竜湖へとバスが通っていたが、今は廃止されてしまっている。わずかに、荘川までバスが通るのみ。ここから世界遺産の白川郷までも約50kmでそんなには遠くないのだが、ここへもバス便はない。工夫次第で集客が見込めそうなのだが、少し残念だ。肝心の北濃駅の駅前は片側1車線の国道とその向こうには川幅の広い長良川があるだけで店1軒すらない状態。折り返しは30分後だが、駅前で時間を潰すことはちょっとできない。逆に構内に足を向けるとホームの先に転車台がある。かつてSLが走っていたころ、そして、レールバスの転換にも使用されていたものである。(詳しくは下記の説明書きを参照。)
 帰りは郡上八幡で数名が乗車。そしてみなみ子宝温泉で多くの乗客が乗車。立ち客まで出るほど盛況だ。これをみると、日帰り温泉施設のみなみ子宝温泉は当たったということである。今後のローカル線の集客策として注目すべきであろう。

長良川鉄道 北濃駅
北濃駅に到着 雪に埋もれる北濃駅
北濃駅 駅名標 北濃駅
北濃駅 北濃駅 時刻表 2時間〜3時間おきの運転です。
長良川鉄道終点 ここで線路が途切れます。越美北線の九頭龍湖までは
あと20kmほどでしたが、つながりませんでした。

以前はバスが連絡していましたが、今はバスもありません。
 北濃駅の転車台
この転車台は、蒸気機関車を走行線路から橋げたの上に乗せ、手押しで180度回転させて機関車の前後ろ向きを変え、走行線路にもどす
役割をするものです。明治35年アメリカンブリッジ社で作られたものです。
 舟のような形をした鉄骨構造物の上部に枕木を置き、その上にレールを敷いた長さ約15mの橋げたを中央で支える上路式の転車台です。
橋げたの全長は15.240m、幅が1.8m、軌間距離1067mm、中央部の高さ1430mm、端部の高さ590mm、重さが約15トンあります。
円形ピットはコンクリート造りで、直径15.400m、深さ960mmと、直径13.480m、深さ1430mm、2段の凹面になっています。
 この転車台は、官設鉄道が明治35年にアメリカより輸入し、東海道本線の「岐阜駅」で使用されていたようです。昭和9年8月、国鉄
越美南線が「北濃駅」まで開通した時に「北濃駅」へ移設されました。移設後、昭和44年までの35年間、越美南線を往復する蒸気機関車の
前後ろ向きを変えるために使われ、昭和61年、長良川鉄道に引き継がれてからもレールバスの方向転換に使用されました。
 国鉄越美南線は、地域住民の要望により大正9年、国会で敷設を決定したのが始まりで、開通後、御母衣(みほろ)ダム及び九頭竜ダムの
工事用資材などの輸送、地元の中学生や高校生の通学、スキー客や郡上おどりなど観光客の送迎などで大活躍し、鉄道沿線地域の産業の
発展と住民の生活を支えてきました。
 鉄道輸送事業で役割を終えたこの転車台は「北濃駅」開設70周年となる平成16年、越美南線の活躍の歴史を語る貴重な鉄道文化遺産
として愚上司白鳥町岐島の「北濃駅」に保存展示されました。
現在、転車台の所有者は長良川鉄道(株)です。
                                   郡上氏白鳥町観光協会・北濃駅の転車台を保存する会 
北濃駅で出発を待つ美濃太田行 郡上八幡駅

往復約5時間の旅を終え、美濃太田に戻ってくる。ここからは太多線で多治見へと向かう。多治見からは中央線で名古屋へ向かう。ちょうどセントラルライナーがきたが、ちょっと乗り換えが慌しいのと乗車整理券が必要なことで、1本見送る。多治見駅は駅弁のある駅で、立ち食いそば店で扱っているようだが、日曜日は休みのため、入手は出来なかった。駅弁は次回の楽しみにとっておくことにする。次にやってきた各駅停車は一見、211系に見えるが、2ドアの213系。以前は関西線に使用されていたが、現在は中央線にも使用されている。多治見を出ると古虎渓、  神領を過ぎると右手に車両基地が広がる。211系や313系、そして特急形の383系が集うなか、波動用で残してあるパノラマグリーン車付きの381系も見える。ここを過ぎるとだいぶ賑やかになってくる。大曽根、千種と過ぎ、金山で東海道線、名鉄線と合流。ここで乗り換えても良かったのだが、名古屋で駅弁を買いたかったので、終点まで行く。

美濃太田→多治見→名古屋
美濃太田→多治見 キハ11 多治見→名古屋 213系

 名古屋での乗り換え時間は9分しかないので、少々急いで駅弁を買いにいく。各ホームにはコンビニ形のKIOSKと立ち食いきしめんはあるのだが、駅弁の売店は特急の発着するホームにしかない。取り急ぎ北陸へ向かうしらさぎの3番線4番線ホームで購入後、新快速の出る1番線へと急ぐ。新快速にはかなり長い列が出来ている。座ることは諦めていたのだが、意外にも座ることができた。大府、刈谷、岡崎と乗客が降りていき、名古屋で購入した駅弁を食べることにした。名古屋には駅弁業者が2つあるようで、一方は駅弁マーク付きだが、今回購入した名古屋だるま社には駅弁マークがない。正式な駅弁ではないのかもしれないが、見かけも、販売形態も駅弁そのものなのでよしとする。さて買ったのは名古屋名物びっくりみそかつ。中身は、本当にびっくりするような大きなみそかつが入っている。弁当にしては珍しく、切れ目が入っていないので余計に大きく感じる。同梱されているプラスチック製のナイフとフォークで切り分ける。味もみそだれがカツに良くしみて美味しい。
 浜松からは静岡行に乗り換え。新快速と同じ313系だが、こちらはロングシートである。静岡からは三島行の乗り換え。熱海まで行くにはこの後の列車でも変わらないのだが、ホームで待つのが寒いので三島行に乗ってしまう。三島で後から来た熱海行は3両編成でかなりの混雑。この前の三島止まりの列車は6両編成だったので、三島まで座ってくることができたので、先の列車で来て正解だった。
 熱海からは22時8分発東京行最終電車に乗る。前回は普通車に乗ったが、今回はなんか疲れてしまってグリーン車にしてしまった。なんだかんだ言いながらいつも乗ってしまうのだが...(笑)。ということで、今回の鉄、そして冬の18きっぷの鉄が全て終了した。

名古屋→東京
びっくりみそかつ 名古屋駅 びっくりという名の通り、大きなみそかつが入っています。
プラスチック製のナイフとフォークが入っているので、それで
切って食べます。
313系 新快速 浜松行 313系 静岡行
313系 三島行 211系 熱海行
E231系 東京行 今回も結局グリーン車で帰ってきました。

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