各駅停車で行く北海道の鉄 後編
もちろん、このままホテルにいるわけもなく、部屋に荷物を置いたら、座る間もなく、再出発。14時50分発釧路湿原ノロッコ4号に乗るのだが、まだ1時間以上も時間があるので市内散策。とりあえず、幣米橋へと行ってみる。北海道3名橋と言われているが、たいしたものではない。橋のたもとの公園には、美川憲一の「釧路の夜」の歌が流れる歌碑があるが、実は、そんな歌があったことを初めて知った。しかしかなり有名というかヒットしたそうで、後日実家に帰って聞いたら、親父が「釧路の夜」のCD持っていたのにびっくりした。(笑)。その歌碑のすぐ近くには釧路のフィッシャマンズワーフがあり、ちょっとのぞく。海産物を中心に土産物屋が集まった施設である。しかし今からいろいろ買うわけにもいかないので、夕張メロンのソフトクリームだけを買って、それを舐めながら釧路駅に向かうことにした。
釧路駅 | 幣米橋と美川憲一のヒット曲釧路の夜の歌碑 |
釧路フィッシャマンズワーフ | ノロッコ釧路湿原号 |
ノロッコ号 DE10が牽引します。 | ヘッドマーク |
客車は50系の改造です。折り返し運転のため、 後部にも運転台がついています。 |
トロッコ客車側面とノロッコエンブレム |
サボ | 車内の様子 木製ベンチシートで、釧路湿原側は6人掛けの ボックスシート、反対側は2人掛けの転換シートです。 |
釧路駅に着くと、すでに、ノロッコが入線しており、乗客を待ち受けている。実は混んでいるといけないと思って網走で指定券を購入しておいたが、指定席の方が混雑しており、しかも座席は湿原とは反対側の席。一方、自由席はガラガラ。ということで自由席に移動。湿原側の1ボックスに1人で座ることができた。指定券は無駄になったけど、300円だからまあ、いいや。ノロッコはその列車名のごとくノロノロと釧網線を進んでいく。トロッコということなので、側面の窓は大きく開いてはいるが、転落防止のため、窓を完全にあけても下半分はガラスが残る。道東の9月中旬、夕刻とくれば、それなりに冷えてくるもので、トロッコとはいいながら車掌も一部の窓を閉めていく。この窓、ワイヤーで開閉をする特殊なもので、乗客自身の操作は禁止されており、車掌が行うことになっているのだ。そうこうするうちに列車は釧路湿原に入っていき、女性の係員が、車窓の説明を行う。最初に見えてきたのは岩保木(いわぼっき)水門。何もない湿原の中に2本の高い搭がたっているので、遠くからもよく目立つ。しかし、この背の高い水門は新岩保木水門で平成2年に完成した比較的新しいもの。その 新水門の後ろに木造の旧水門があり、こちらは昭和6年に完成された歴史あるものだ。しばらくは釧路湿原を左に眺めながら走行する。まもなく釧路湿原駅に到着。この駅からは細岡展望台が近いため、多くの乗客が降りていく。釧路湿原駅を出ると、今度は釧路川に沿って進む。残念ながら、先日の台風14号の影響で水はカフェオレ色だ。それでも、川下りをするボートも何槽かでており、ノロッコ号に手を振ってくる。こちらも観光列車のため、最徐行で進んでいく。そして釧路から1時間で塘路(とうろ)に到着。
指定席の車端部 丹頂とエゾシカです。 | 釧路湿原と岩保木水門 雲の間から指す光が幻想的です。 |
釧路湿原駅 | 釧路川 残念ながら台風14号の影響で川の色がカフェオレ色です。 |
釧路湿原の中を走っていきます。 | 塘路駅 |
ここで驚愕な事件が起こる。折り返しのこのノロッコ号を待つ客がホームにあふれているではないか。しかもツアーのおばちゃんたち。まじ...!?そして、列車のドアが開くやいなや、そのおばちゃん軍団はいきなり車内になだれ込んできた。これにはJR北海道の車掌もびっくり、思わず、「降りるお客様を先にお通し下さい。」と案内が入るが時すでに遅し。そして、おばちゃんたちは大声の関西弁。やっぱりか...。大阪のおばはんにはかなわんなぁ。とにかく、折り返しの発車時間まで30分あるので、列車を降りて、駅前広場にある展望塔に登って、釧路湿原を眺めに行く。日没時の様子とまではいかないが、夕刻で幻想的な風景が広がる。そうそうゆっくりもしていられないので、駅に戻り、塘路駅のオリジナルオレンジカードなんかを買ったり、ノロッコ号の写真を撮ったりして、あの大阪おばはんに占拠された列車へと戻る。帰りも指定席を取ってあって、座席は確保してあるものの、あのおばはん連中の中に一人座る勇気もなく、自由席の方へ。しかし、指定席からあぶれたおばはんが自由席車も占拠している。仕方ない。一番後ろに連結されている、トロッコ客車ではない50系に乗 る。ここは他の車両とは違い、かなり空席がある。ちょっとトイレにと展望席の方に行って再び驚愕の事実。車椅子対応でドアはボタンで開閉するタイプだが、大阪おばはんはこれを力任せに閉めようとしており、そして、「なんで、閉まらへんの?」とさらに渾身の力で閉めようとする。その腕力のたまもので、すでに半分ほど、ドアが閉まってるではないか。こ、壊れます...。口をききたくもなかったが、さすがに見るに見兼ねて、「ボタンで開閉して下さい。」と言ってやった。やれやれ。さて、こんな悪夢のような出来事もあったが、先ほどと同じように、観光案内付きで再び1時間かけて釧路へと戻ってきた。
塘路駅前の展望台からノロッコ号と釧路湿原を望みます。 | 塘路駅に到着したノロッコ号 |
機回しをしなくても済むように、客車側にも運転台がついています。 | 正面から |
さて、まだ時間は17時を回ったところ。とりあえず、今晩の晩飯にと、駅弁を物色。釧路にはちゃんと駅弁マークのある駅弁もあるのだが、それ以外に名物駅弁がある。「いわしのほっかぶり」という鰯の握寿司を薄くスライスした大根の浅漬で包んでいるものである。ちょうど出店で、100円引きセールをやっていた上に、駅弁大会でも上位入賞を果たしたという売店のおばちゃんの売り文句に乗せられて購入。さらに、明日の朝って、6時発の列車に乗らなくてはいけないのだが、この時間だと売店も閉まっており駅弁趙達が出来そうもないので、今度はKISOKで駅弁マークのついた釧路漁礁かに飯を購入しておいた。ホテルの冷蔵庫に入れておけば、味は落ちるが大丈夫だろう。ということで、そのままホテルに朝用の弁当を置きに行く。置きに行くということは、もちろん、このあと、第三部があるということ。またまたすぐにホテルを出発。夜の花咲線へと向かう。こんな時間から乗っても景色も見えないし、仕方ないのだが、狭いホテルの部屋にじっとしていても仕方ない。
花咲線 キハ54 釧路駅 | 側面には花咲線を識別するはまなすの ステッカーが貼ってあります。 |
17時55分発の根室行に乗った。車両は花咲線仕様のキハ54。東釧路までは釧網線と同じ線路を通り、東釧路を出ると、釧網線は左へ別れてゆく。正式な線名は根室本線であり、以前は厚床から標津線が分かれていたが、今は、愛称の花咲線が定着して、根室に行くというのに、根室本線とは別線のイメージが強くなってしまい、長大な行き止まり線の様相が濃くなった。まもなく、外は完全に暗くなり、車窓も見えなくなった中を淡々と列車は進んでいく。仕方ない、先ほど買ったいわしのほっかぶりでも食うか。でその味は、さすが、駅弁大会上位入賞というだけあって、かなりうまい。久しぶりのヒット作に出会えたなって思ってふと掛け紙の原材料を見てみると、「いわし(北アメリカ産)」とあった...。え〜っ。釧路産、北海道産じゃないの???ちょっとがっかり。
釧路駅 いわしのほっかぶり | いわしのにぎり寿司に大根の浅漬けが乗っています。 |
駅弁の話が出たところで、かきめしで有名な厚岸を過ぎ、そして、厚床を過ぎ、そろそろ飽きてきたなって思ってたころに、日本最東端の鉄道駅である東根室に到着。ここで向きを北北西に替えて、釧路から2時間30分で終着根室に到着した。根室に着いたところで8時半では何かできるわけでもない。幸い、みどりの窓口と言っても、改札口と兼ねたようなものだが、まだ開いていたので、最東端の東根室駅など数種類のオレンジカードを購入。再び、折り返し列車に乗る。折り返しは最終の釧路行快速ノサップになり、主要駅だけに停車。所要時間も約30分短い2時間となる。しかし帰りの列車はガラガラ。釧路に帰ってきたのは22時48分。ここで札幌行の夜行特急「まりも」に乗り継げるようになっている。今度こそ、今日はこれで終了。ホテルに戻って、就寝。
夜の根室駅 | 根室駅 駅名標 |
流氷岬 納沙布の駅名標もありました。 | 折り返しの快速ノサップ |
釧路では夜行特急まりもに接続します。 | まりも ヘッドマーク |
今朝は6時の列車に乗るため、5時起き。5時半にはチェックアウト。案の定、こんな早朝ではKIOSKもやっておらず、昨日のうちに駅弁を調達しておいて正解だった。乗り込む列車は6時発の帯広から快速狩勝になる滝川行。石勝線を通らず、今もなお、正当に根室本線を行く数少ない列車だ。乗り込むや否や、さっそく、昨日買ったかに飯を食べてみる。冷蔵庫に一晩入れてたので、少し冷たいし、多少硬くはなっていたが、まずまずである。釧路を出て2時間程で2日前に来た池田に到着。これで道東をぐるっと鉄道で1周したことになる。池田では、ふるさと銀河線からの列車と連結するため16分停車。帯広までは銀河線車両と2両編成で行く。この光景も来年4月で終わりかと思うと少し寂しい。そして帯広では22分の停車。ここから列車番号もかわり、快速狩勝となる。銀河線の車両はここで切り離される。22分の停車時間に、昼飯用にと、駅弁を買いに行く。2日前にも降りているので勝手がわかっていたので迷わずに改札外の駅弁売場に直行。実は一昨日、ちょっと気になっていたが、その時は買わなかった駅弁があったのだ。「ぶた丼」である。ぶた丼自体が帯広の名物になってお り、それが駅弁になったようだ。価格は1100円でやや高め。その駅弁を買って再び車内へ。
キハ40 滝川行 釧路駅 | 花咲線キハ54との並び |
くしろ漁礁 かに飯 | カニフレークをベースに金糸玉子、紅生姜、椎茸、グリーンピース が乗ります。 |
池田駅 ふるさと銀河線からの列車と併結します。 | 連結作業 |
前にはJRキハ40 | 後ろには銀河線のCR70系が連結されます。 |
銀河線には前と後ろで違うヘッドマークがかかっています。 | 帯広から快速狩勝になります。 |
帯広で列車番号が変わるため、時間調整します。 | 狩勝のサボ |
特急スーパーおおぞらを先に通します。 | 帯広が高架駅になって印象がかなり変わりました。 PC斜張橋が新しい帯広駅のシンボルになっています。 |
快速なので、芽室、十勝清水、新得と主要駅のみに停車していく。新得からは今や事実上の本線格の石勝線と分かれて、支線のようになった根室本線を進む。高架橋やトンネルの連続で難所の狩勝峠を越えていく。新得から40分で幾寅に到着。高倉健主演の汽車屋(ぽっぽや)の幌舞駅の舞台はこの幾寅駅になる。駅前には当時使われたキハ40をキハ22風に改造したぽっぽや号も置かれていたが、車体が3分の1ほどに短く切断されてしまっていたのにはショックだった。駅前に置くスペースもあるのだし、切断せずに1両そのまま残しておいて欲しかった。幾寅駅での停車時間はほとんどなく車窓からの見学となったが、やはり、有名なのか、多くの乗客がガラス越しに写真を撮っていた。まだ11時前だが、朝早かったためかお腹がすいてきたので、先ほどのぶた丼を食べることにした。このぶた丼、紐を引っ張ると温かくなるもので、さっそく、紐を引っ張って調理を開始。かなり温度が高くなり、湯気も立ち上る。5分程待ったところで、蓋をあける。御飯の上に一面に豚肉が敷き詰められていてまさにブタ丼である。しかし、味の方は期待したほどでもないし、ボリュームも箱が大きい割には加 熱機能の部分が大きいだけで、実際には上げ底になっていて、量は以外と少ない。その上、値段も駅弁にしては高価で1000円を越える1100円。原材料も牛ならともかく、たかがブタ肉である。なんか、代金の大部分が加熱機能に使われているようでちょっと納得のいかないものであった。
帯広駅 豚どん | 加熱式容器に御飯と炭火焼の豚肉が乗っています。 特製のタレと山椒をかけてアツアツを食べます。 |
幾寅駅 | 映画、汽車屋(ぽっぽや)の舞台となった幌舞駅はこの幾寅です。 駅名板も幌舞になっています。 |
汽車屋の撮影に使われたキハ40改造のキハ12。 残念ながら車体の3分の1を残して切断されてしまっています。 |
富良野駅 |
キハ150 富良野線 | エリエールの広告車ですが、富良野線らしいラベンダーの ラッピングです。 |
幾寅を出て40分程で、旭川方面への分岐駅になる富良野に到着。ラベンダーが有名だが、当然、今は時期ではない。ここで8分の停車時間があり、さっきのブタ丼に満足できなかったということもあって、富良野で唯一という「ふらのとんとろ弁当」をKIOSKで購入。またブタかい?(笑)。富良野を出ると約1時間で終点滝川に12時35分に到着。6時に釧路を乗ったのだから、6時間35分という長い行程であった。今時、昼間の列車でこれだけ長時間運転というのも珍しいであろう。滝川は複線電化された函館本線の駅で、スーパーホワイトアロー、ライラックともに停車する比較的大きな駅である。その昔、NHK朝の連続ドラマ「チョッちゃん」の舞台にもなった町である。
釧路から6時間かけて滝川に到着です。 | 滝川駅 |
滝川ー岩見沢間は電化の函館本線ですが、間合運用の キハ40です。 |
滝川ー岩見沢 サボ |
岩見沢駅 ホームにある馬の彫刻 | 岩見沢駅 現在は立替中のためプレハブです。 |
ここからは711系とか721系の電車だろうと思っていたのだが、来た列車はキハ40。根室本線の間合いで使用されているようだ。このキハ40で岩見沢へ行く。岩見沢は学生時代の頃にはいくら弁当なる名物駅弁があったのだが、今はその業者も廃業してしまい、駅弁はなくなってしまった。別に珍しいことではなく、コンビニ弁当全盛時代の中、このようなことが日本各地で起きている。元気のいいのはデパートで行われる駅弁大会くらいで、盛況な駅弁大会しか知らない人はこういう駅弁衰退の事実に驚くに違いないだろう。岩見沢からはやっと電車。駅で待っていたのは711系でも721系でもなく最新の731系。乗ってみて驚いた。デッキがないのは知っていたが、オールロングシート車であった。北海道の車両もなんかどんどん東京風になっていっちゃうなあ...。この列車を江別で降りて、後から発車する快速いしかりライナー小樽行に乗る。このいしかりライナーも731系だ。そういえば、さっき、富良野で勢いで買ってしまった駅弁も始末しなくてはいけない。まだそんなにお腹はすいていないが、この先、食べるところもなくなるし、札幌に近づくと混んでしまう上にロングシ ートなのでそれどころではなくなる。ガラガラの今のうちに食っておくか。この弁当の特徴は半熟卵がついていること。これを割って、御飯の上に乗ったとんとろの上にかけて食べるという。味は冷えているのが、少し残念だが、別についているコチュジャンの風味もよく、合格だ。
781系特急ライラック | 731系で江別へ向かいます。 |
富良野駅 ふらのとんとろ丼 | 半熟卵を割って、肉の上にかけて食べます。 付け合せは北海道らしく皮付きのじゃがいもです。 |
車窓の方も久しぶりに都会風の風景になってきて札幌が近づいてきたことを感じさせる。まもなくJRタワーが見えてくるといよいよ札幌だ。今回、初めての札幌入りとなる。さすがに北海道の中心都市だけあって、活気がある。しかし札幌では降りずにそのまま小樽へと向かう。札幌を出てしばらくは琴似、手稲など札幌のベッドタウンが続き、銭函からは小樽市に入り、列車は石狩湾沿いに進む。小樽には15時36分到着。さすがに、釧路からここまで9時間半の行程で少々疲れた。小樽では、鉄道博物館に行こうと思っていたが、場所が分からず、駅構内の観光案内所に訪ねると、駅前のバスターミナルからおたる散策バスに乗って交通記念館で降りるとのこと。まずは、鉄道博物館ではなく、小樽交通記念館であったということで訂正しておく。(笑)。バスは15分〜20分間隔で運転されており、名前の通り、観光客相手のバスになる。1乗車200円。乗客は私のほかに3,4名。交通記念館まではバスは10分程である。
731系快速いしかりライナー 江別駅 | 731系は気動車キハ201系との連結して強調運転が できることから1997年にローレル賞を受賞しています。 |
小樽交通記念館は、東京の交通博物館、大阪の交通科学館と並んで、日本3大鉄道博物館であると言えよう。小樽交通記念館の特徴は、まずは旧手宮線の跡地を利用されて作られたこと。広大な野外の車両展示コーナーは必見。約50両の車両があるのはおそらく国内最大であろう。そして館内は、準鉄道記念物のSLしずか号をメインに、北海道の鉄道の歴史について詳しく展示してある。それでは、暗くなる前に屋外の車両展示から見てみる。北海道ならではのラッセル車、キマロキ、そして、旧型客車、キハ22、キハ80など北海道で活躍した車両が置かれている。この中でも、特筆すべきものは、長年ベールに包まれていた現金輸送車のマニ30であろう。展示車両の充実さには感心するが、残念なこともある。展示車両の保守が行き届いておらず、屋根もない野外展示のため、塗装は剥げ放題、一部には外板も腐食しているものもある。さらには、北海道では必要ないと思われる、エアコンが取り付けられ、室外機が車外に剥き出しに取り付けられていることだ。エアコンといっても、普通に鉄道車両の屋根の上に取り付けられているやつではなく、いわゆる家庭用のルームエアコンである。ほんと うに8月の日中の限られた時期にしか使われないもののために、展示車両に室外機が無骨に取り付けられてしまっているのは無駄としかいいようがない。そしてもう1つ難点は入館料が大人940円とちょっと高めなところだ。ちなみに、東京の交通博物館は310円。大阪の交通科学館は400円である。これだけの入館料をとっているなら、もっと展示車両のメンテナンスをして欲しい。みんな、今や貴重となった価値ある車両なだけに残念だ。もっとも、少しづつは行われているようで、一部は塗りたての車両もあった。
小樽交通記念館 | |
小樽交通記念館 | DD15 |
DD15 | DD14 |
DD14 | ラッセルヘッドを正面から見ています。 巨大な甲殻類のお化けのようです。 |
ボンネットバスもあります。 | キ100 |
キ550 | ターンテーブルと扇形庫 現存する日本最古の機関庫で、 国指定の重要文化財です。 |
機関庫にはラッセル車が収納されています。 | キ718 |
キ752 | キ601 ロータリー式です。 |
7150大勝号 | キ800 マックレー式木造ラッセル車です。 |
キハ82 北海 | キシ80 食堂車 |
C55 | スハ45 |
スハフ44 | スハフ44の車内 |
マニ30 長年ベールに包まれていた現金輸送車です。 | マニ30 車番 |
ここに現金がおかれていました。 | 車内には職員の宿泊設備が整っています。 |
ED76 | オユ50 |
オユ50 郵便車の車内。郵便仕分業務を行っていました。 | オハ36 |
オハフ33 | DD13 |
DD16 | キハ56 キハ58の北海道版です。 |
キロ26 | キハ27 |
キハユニ25 | 郵〒便マーク と車番 |
ED75−500代 | キハ22 一昔前までは北海道のローカル線各駅停車といえばこのキハ22でした。 |
オシ80 | C12 |
DE10 | ワム80000 |
セキ6000 | トラ55000 |
ホキ2200 | ワフ29500 |
DD51 | オエ61 |
スエ78 | スエ78車内の様子 |
チキ6000 | ソ34 |
ヨ6000 | アイアンホース用の客車 |
北海道鉄道開通起点 新橋―横浜、大阪―神戸、に続き1882年に手宮(小樽)―札幌間に 日本で3番目の鉄道が開通しました。 ここがその北海道の鉄道起点になります。 |
転車台 交通記念館内には先に紹介したものと2つのターンテーブル があります。 |
非常に広大な敷地に車両が保存されています。 | |
準鉄道記念物 7106 しづか号 | 1884年アメリカ製です。 |
北海道炭鉱い1 一等客車 | 車内の様子 中央にはさすが北海道の鉄道ということで 大きなストーブが設置されています。 この当時、この客車に乗れたのは、政治家や華族など、 ごく限られた人でした。 |
多くの鉄道のナンバープレートが展示されています。 | 北海道の鉄道の歴史が展示されています。 |
18時の閉館時間間際まで見学をして、再び、おたる散策バスで小樽駅方面へと戻る。駅に戻るには、南小樽を経由して1時間程かかってしまうので、小樽運河の近くで下車。ここで運河見学をしたり、旧手宮線の軌道跡に行ってみたりする。旧手宮線の方は、線路までよく残っており、このままにしておくのがもったいない感じがする。観光のためにも、市民の足のためにもライトレールとして整備したらいいように思える。なんて思っていたら、市民団体を中心に実際にそういう構想があるようだが、最近、大きな動きにはなっていないようだ。
おたる散策バス | 夕暮時の小樽運河 |
旧手宮線跡 非常によく整備されています。 | 小樽駅 |
小樽での散策を終え、札幌へと戻る。今晩は北海道最後の夜ということで、駅弁としては高価な1260円もする「おたる海の輝き」を購入。次の列車は快速エアポート190号ということで、せっかくなので指定券を買ってUシートに乗り込んだ。車両は721系だが、半室のみUシート車になっており、リクライニングシートになっている。東京で言えば、東海道線の普通列車のグリーン車みたいなものだ。他にビジネスマンが数名、Uシート車に乗り合わせた。それではさっそく、先ほど購入した「海の輝き」を食べてみる。中身は値段に相応しく、酢飯の上に、ウニ、イクラが絢爛豪華にちりばめらており、見た目も味もかなり上等である。この日、結局、4食、食べたようにも思えるがあまり気にしないで下さい。(笑)。せっかく乗ったUシートだが、札幌まではわずか30分ちょっとで到着。今晩は札幌から22時発のはまなすに乗り、いよいよ北海道ともお別れとなる。それまで、まだ3時間近くある。まずはお土産の調達。KIOSKもあるし、大丸もあるので困る事はない。ここで、荷物の大半を土産物とともに宅配便で送ってしまう。身軽になったところで、まだ時間があるので、今回ど うしても乗りたかった711系に乗りに行く。といってもいつくるか分からないので、ホームで待つと20時24分発の小樽行の各駅停車に入っていた。711系は北海道初の電化の際に投入された交流電車であるが、デビュー以来40年近くがたっており、731系への置き換えも進んできたので、今が最後の活躍と言えるだろう。とりあえず、手稲まで乗って、折り返してくる。
721系 Uシート | Uシート車内 快適なリクライニングシートが並びます |
小樽駅 おたる海の輝き | 金糸玉子、キュウリ、そしてウニ、いくらがふんだんにのっています。 |
721系 快速エアポート | 711系 731系の台頭で活躍範囲が狭まってきています。 |
785系 スーパーホワイトアロー | 781系 すずらん |
21時過ぎに札幌に戻ってきてはまなすのホームに行くと、すでに、自由席の待ち行列が出来初めていた。禁煙車がよかったが、こちらの列は少々長かったので、喫煙車の方に並ぶ。しかし、思った程の混雑はなく、並んでいた人、全員がなんとか座ることができた。車内をちょっと見回すと、どこかで会ったことのある人がそこかしこにいる。どういうことかと考えてみると、行きのはまなすで一緒だった人である。有効期限が5日間なので、おのずと行きのはまなすで会った人とは帰りも同じはまなすに乗る可能性が高いのだ。(笑)。夜行なんだからさっさと寝ればいいものを、なぜか寝付かれなくて、しばらくは何とはなしに起きていた。夜も更け、日付も変わった伊達紋別あたりまで起きていたであろうか、次に気が付いたのは長万部だった。後ろ席が空き、隣に座っていた中年男性が移動したので、ここで、ゆったりと座れるようになる。ここからしばらく起きていたような気がするが、函館到着も青函トンネルも覚えていない。次に気が付いたのはすでに本州側に来て、外もだいぶ明るくなった蟹田を過ぎたあたりであろうか。なんかあっけなく本州に戻ってきてしまったって感じがする。そして 青森には5時35分に到着した。
急行はまなす | はまなすヘッドマーク |
流星マークと車番 | 最後尾は14系座席車 |
はまなすテールマーク | 側面方向幕 |
前から2両はB寝台車です。 | のびのびカーペット車も連結されています。 |
青森からは東北本線をひたすら東京へと向かう。青森6時10分発の八戸行まで、まだ少し時間がある。駅弁屋は出ていないが、駅そばはすでに営業をしていたので、とりあえず、かけそばを腹に流し込んでおく。八戸行列車は当然701系かと思っていたが、キハ40の2連。なんか今回は電化路線なのに、間合い運用の気動車に当たることが多いなあ。しかし速度はのんびり、電車であれば八戸まで1時間半のところを2時間以上かけて進む。車内はまだ時間が早いため、通学利用の高校生も多くはなく、ぽつぽつといるレベル。ところで、ケータイの充電器を持ってこなかったので、ここで電池切れ。まあ、別にこれと言って使う用もないからいいのだけど。夜だけでも、電源切ってればよかったかななんて思ったりした。さて、昨日の寝不足もたたって途中で少しうとうとしながら、八戸までやってきた。
青森に到着したはまなす。函館―青森間は牽引機が ED79になります。 |
はまなすヘッドマーク |
DE10で回送されていきます。 | 485系 いなほ 上沼垂色 |
751系 つがる | 6時5分発蟹田行普通列車には485系が充当されます。 |
八戸行普通列車 電化区間ですが、間合運用のため キハ40が充当されます。 |
サボ |
ここで次の列車まで40分、時間があく。ということは1時間後に出た列車に追いつかれてしまうということだ。東北本線の旅とはこんなものだ。八戸から新幹線に乗れば、3時間で東京に着くものを、在来線では、まだまだ先は長い。青森でそばを食べていたが、ここで、駅弁、海鮮小わっぱを購入。美味しそうに見えたのだが、NRE製で駅弁マークもなし。八戸からは新幹線開業に伴い第三セクター化された青い森鉄道・いわて銀河鉄道に乗る。第三セクターになってからは初めての乗車だ。列車は4両編成だが、座席がほぼ埋まるくらいの乗車率。当然ながら「はまなす」からの乗客も多数乗り継いでいる。車両はいわて銀河鉄道の7000系だが、701系の帯色を変えただけのものだ。ロングシートだが、ここで先ほど買った、海鮮小わっぱを食べてしまう。最近は、ロングシートで駅弁を食べるのも抵抗がなくなった。そのうち、東京の山手線とかでも食べたりして...。味の方はNRE製なので期待していなかった通りである。
清水川駅 東京まであと708キロあります。 | 八戸駅 |
485系白鳥 | 八戸駅発車案内 行先のIRGのロゴに注目です。 |
八戸駅 海鮮小わっぱ NRE製で、本当は盛岡の駅弁です。 | 御飯の上にカニ、ウニ、イクラ、茎わかめ、そしてアワビが乗る |
三戸で貨物列車の通過待ちで14分ほど停車。新幹線開業前までは特急はつかりが停車していたが、今は、特急も通らなくなり、新幹線の駅もなく取り残されてしまった感がある。停車時間を利用して、駅の外に出てみたが、非常に小さな町で、以前は特急が止まっていたこともにわかには信じがたい。しかし、このような各駅停車のおかげで、今まで、通り過ぎることしかなかった駅に、短い時間ではあるが、降りることができるというのは、それはそれで、またよいものである。目時からは、いわて銀河鉄道になるが、乗務員も交代するわけでもなく、列車も直通なので、全く意識されることはない。盛岡では比較的接続がよく、とは言っても行きと同様、一度、改札口を出て、乗り換えなければならないので、手間がかかるのは同じこと。
三戸駅 | IRGいわて銀河鉄道7000系 ここで、貨物列車2本に先を譲ります。 |
まもなく盛岡というところで右手に岩手山がみえてきます。 | 701系 一ノ関行 |
盛岡からも701系。1時間半程で一ノ関に到着。ちょうどお昼時になり、今では珍しくなった、駅弁の立ち売りがホームに出ていたので、思わず「まつたけめし」を購入した。なんか食べてばかりだが、またまたロングシートでこのまつたけめしをほおばる。当然、秋限定の弁当だが、結構、大きい、まつたけが入っており、内容的には満足。このまま仙台に行っても、仙台から先の乗り継ぎは極めて悪く、1時間半後の仙台シティーラビット6号まで待たなくてはならない。どこかでいい時間潰しができないものかと考えたあげく、利府に行くことにした。
一ノ関駅 まつたけめし | まつたけ御飯に栗、椎茸など秋の味覚満載です。 |
せっかく、青森から東京まで東北本線を乗り通すのだから、利府もちゃんと行っておかねばなるまい。と勝手に理由をこじつけた。(笑)。とまあ冗談はおいておき、このまま分岐駅の岩切に行ってもちょっと早いので、この列車を松島で降りて、あとから出発する始発の白石行に乗り換えた。松島は日本三景で有名な観光地であり、広くはない駅前ロータリーには多くのタクシーが客待ちをしているが、平日の午後2時過ぎでは、客はいないようで、気だるい時間が流れている。松島の発車は跨線橋を越えた3番線からの発車で、下り線を本線横断して、出発する。岩切まで15分だが、車両は久しぶりの719系。やっぱりクロスシートだと落ち着く。岩切では少々時間があいて25分の待ち合わせ。利府行きの専用ホームから2両編成の701系が行ったり来たりしている。十数年前にも来ているはずなのだが、あまり記憶がない。折り返しの利府行が入線して、乗り込むとまもなく発車。新幹線の車両基地にそって進み、新利府に到着。そして次は終点利府で、岩切からわずか6分のショートトリップだ。このような枝線は東海道本線の美濃赤坂支線に似た印象があるが、利府の方が断然賑わっており、 列車の本数も格段に多い。利府からはそのまま同じ列車で折り返してくる。岩切で乗り換えて、仙台に到着した。
701系 小牛田駅 | 松島駅 |
719系 松島発白石行に乗り換えます。 | 岩切駅 |
新幹線の車両基地のわきを通っていきます。 | 利府駅 |
ここが終端部です。 複線で線路が途切れます。 | 利府に到着した701系 |
出発を待つ701系 利府駅 | 701系白石行 仙台駅 |
この時間潰しのおかげで、仙台シティーラビット6号まにほどよい時間になり、とりあえず、ここで駅弁の鮭はらこめしとお土産の笹かまぼこを購入して発車ホームへと行く。この快速列車は人気と見えて、かなり長い列が出来た。やってきた列車は前面にヘッドマークをつけてレア車両である417系。415系と455系を足して2で割ったような両開き2ドアで出入口付近はロングシート車内中程はボックスシートがずらりと並ぶ車両だ。快速とは行っても、通過駅は7駅。所要時間は前を走る各駅停車と5分しか違わない。しかしこの快速にはみたところオールロングシートの701系は充当されないようだし、現在3往復だが、土日は倍増の6往復が走り、この乗り具合をみると、なかなか好調のようである。実はこれには仙台−福島間に頻発される高速バスに対向する意味を含まれており、この区間の往復の割引切符も発売されこれからますます競争の激化が予想される。こうして一度はローカル線に転落した新幹線並行在来線が活性化するのは良いことで、歓迎すべきことではある。仙台ではかなり混雑で立ち客もいたが、岩沼、槻木と乗客がどんどん降りていき、白石を過ぎるとかなりすいてし まった。結局、仙台−福島間の客というより仙台近郊の客が多いようだ。さて、車内もすいてきたところで、先ほど買った鮭はらこめしを食べることにしよう。鮭はフレークではなく、小さな切り身といくらが乗っていて、結構おいしい。
仙台駅 鮭はらこめし | 茶飯の上に鮭の切り身といくらが乗っています。 |
417系 仙台シティーラビット6号 | 仙台シティーラビット ヘッドマーク |
719系 黒磯行 福島駅 | 211系 黒磯駅 直流区間に入ってきました。 |
福島には17時18分に到着。福島からは7分接続で黒磯行に接続。車両も719系だし、郡山で乗り換えなくていいので、随分楽だ。外もかなり暗くなってきた。車内は夕方で一応これでもラッシュ時間帯になるわけで、それなりに混雑している。新白河を越え、豊原から栃木県に入ると、関東地方に入ったせいか帰ってきたなという感じがしてくる。黒磯には19時18分に到着した。ここから直流区間になり、見慣れたE231系が待ち受けている。以前は黒磯までくると上野まで1本だったが、今は、一部を除き、ほぼ全ての列車が宇都宮止まりになっている。車両も211系の付属5両編成だ。黒磯−宇都宮間は近そうだが、実は50分かかる。
宇都宮駅 | E231系 通勤快速上野行 |
サロE231 | グリーン車 2F席車内 右側の緑ランプの点いているところが僕の席です。 |
宇都宮駅 うわさの弁当 | 古代米の赤飯と煮物がメインです。 |
宇都宮からはいよいよ最後の乗り換えになる。20時32分発の通勤快速まで20分程時間があるので、この間を利用して、夜食用に今回の鉄の最後の駅弁を調達しにいく。「うわさの弁当」なる名前もコンセプトがよく分からない弁当を買ったが、閉店間際ということで100円引きにしてもらって、少し得した気分。さらに、最後の列車ということで、上野までのグリーン券を奮発。土日じゃないので、950円を支払うが、オレンジカードは山ほど買ってきたので、これで買う。さっそく、サロE231の2F部分に乗り込んだが、他に誰も乗客はいない。東海道線や横須賀線では少なくても、4、5人はグリーン車の利用客がいるものだが、やはり導入したての宇都宮線ではそういうわけにはいかないらしい。発車直後に女性の客室乗務員が検札にきたが、他に客もいないので、足早に立ち去った。これではかえって人件費の方がかかってしまうよな。途中の小山から大宮まで、もう1人乗ってきたが、結局、この車両の利用者は自分を含めて2人だけだった。通勤快速とは言っても小山までは各駅停車。普通車だとこの間が長く感じるが、リクライニングシートのグリーン車だと快適であるがゆえに、それほど長く感じないのから不思議なものだ。そうそう、先ほど買った「うわさの弁当」なんだが何がうわさなのかよく分からないのだが、古代米を使用した赤飯で、おかずは煮物をベースにした幕の内弁当風。定価700円自体駅弁にしては低価格な上に、100円引きの600円で購入しているから、あまり文句も言えないが、まあ、こんなものかという感じだ。(笑)。だんだん車窓に灯りが目立つようになり、大宮到着。
側面LED 通勤快速 上野 | 上野に到着しました。 |
大宮を出るとさいたま新都心を通過する以外は各駅に停車。荒川を渡り、さらに街灯りが増していよいよ東京に帰ってくる。埼京線と東北新幹線が寄り添ってくると赤羽。尾久と停車し、22時04分上野に到着をした。昨日、札幌を出たのが22時ちょうどだったので、札幌から寄り道もせず、乗りっぱなしで24時間4分かかったことになる。しかしよく各駅停車で北海道まで行って、帰ってこれたよなって自分でも感心する。しかし、ここで終わりではない。東北本線の起点は東京なのだから、ここで京浜東北線に乗り換える。青森からはるばる上ってきて、御丁寧に利府にまで行って東北本線全線制覇ということなのだが、いつもよく乗っている線だし、東京駅は単なる通過駅に過ぎず、いつもの日常のような中であっけなくその瞬間を迎えた。そのまま有楽町まで乗り、無事、地下鉄有楽町線に乗り換えて帰還。かくして、帰ってきたという安心感と、各駅停車で行ってきたという達成感と、長旅の疲労感が交じり合うなか、今回の北海道鉄の幕を閉じた。
番外編 | ||
森駅 いかめし 本当は森駅で買ったといいたいところですが、 たまプラーザ東急百貨店の 北海道展で買いました。(笑) |
小ぶりないかめしが2つ入っています。 | JR北海道KIOSKオリジナル緑茶 うらら 値段が130円と格安なため北海道では 絶大な人気を誇り売上げNO1に輝いています。 |
各駅停車で行く北海道の鉄 前編 | |
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