春を見もせずに...長野電鉄木島線 (後編)


24日、11時ごろ出発というゆったり目の計画を立てていたのだが、9時出発という思いのほか、早い出発となった。おかげで、時間調整のため、最後にもう1度木島線に行くことにした。その前に...湯田中でのスイッチバック。配線の都合らしいのだが、なぜ、わざわざ2、3mバックするんだろう。と思って、ホームへ。なるほど、謎が解けた。
つまり↓こういうこと。
<―長野                        引き上げ線 ―>
==\==========================本線
  ==\=========================側線
 ┏━━━━━━━━━━━━━━┓]踏切[
          ホーム

2000系特急車両は3両編成なのだが、ホームは踏切の関係で、長野方にしか伸ばせなかった。しかし、その手前に、本線からのポイントがあるというわけだ。そこで、本線からポイントを渡ってきた電車は、踏切に干渉しないようにするため、切替して、前方に移動する。出発するときはこの逆で、一旦、バックしてポイントまで下がって、切替を行い、本線にでていくというわけだ。なんか苦肉の策だね。でも、ちょっとした鉄の名所になってるんだから、それはそれでいいか。(笑)。

湯田中駅に停車中の2000系
本線に行くポイントを踏んでるのがこの写真からもよくわかる。
このため、一度バックをしてから本線上に出る。
ホームいっぱいに止まってるのが分かる。
湯田中駅でもう1ショット! 湯田中駅


さて、本当に最後の木島線だが、2度訪れると、1度目には気づかなかったことが見えてくるので、それなりによいものである。四ヶ郷の駅舎がなんか雰囲気がよかったり、「さよなら木島線」「ありがとう木島線」なんて張り紙がしてあったり。木島到着後は折り返しまで30分程、時間があるので、ちょっと駅の外に出てみたりと昨日はできなかったことをしてみる。おかげで、結構いい写真も撮れました。

この日は昨日と打って変わって雪模様 信州中野駅 木島行の車内。ワンマン運転のため、
後ろの車両には誰も乗っていない。
このような光景を見せ付けられると、廃止を納得せざるをえない。
四ヶ郷駅 車内からの撮影のためガラスが反射しています。
さようなら四ヶ郷駅。木島線ありがとう。の張り紙が泣かせます。
木島駅に到着。
木島駅 木島駅全景
雪の木島駅に停車中の3500系 長野市内にはすでに雪はないが、ここ木島はまだ雪深い
木島駅 駅名標 
場所を移動したのか、信濃安田駅が反対側になっている。
隣には名所案内もある。
木島駅で出発を待つ信州中野行 木島駅から信州中野方面を望む。

そして、多分、二度と乗ることはない木島線で信州中野まで戻る。なんかそう思うと悲しいね。木島線はその昔、野沢温泉まで延伸する計画があったらしいが、その後、立ち消えになってしまったらしい。もし、野沢温泉まで延伸されていたら、観光路線として、生き延びていたかもしれない。なんて言ってみても仕方ないんだが...。信州中野からはそのまま長野へ出て、長野電鉄の散策もこれにて終了。

信州中野駅に停車中の木島線(右)と本線の長野行(左) 湯田中行の特急


このあとは、ぐるっと、まわりながら東京へ帰る。すでに、昼になっているので、適当に駅弁を買い込み、東京に帰ると言うのに、なぜか、飯山線の車内に。(笑)。以前はVOITURE AMITIEの仏語のロゴ入りのキハ52やキハ58だったが、それも今や昔。現在はすべて、110系気動車に。車内は2列、1列の3列のボックスシートが並ぶ。一人掛けのボックスはこのように一人旅の時は、誰に気兼ねすることもなく快適だが、やはり座席定員を考えると2列、2列のボックスの方がいいように思える。はやり、一人でも多く座れるようにするのが、本当のように思えるが...出発してしばらくは信越本線の架線の下を北進し、豊野から右に分かれて飯山線へと分け入る。車窓がだんだん雪景色に変わって、この列車の終点である戸狩野沢温泉に到着する。両方の温泉までは、近くではなく、ここから、バスでの接続になる。戸狩野沢温泉から先は越後川口行に乗り換える。時刻表では十日町止まりで、十日町から30分程でさらに越後川口行の接続列車があるように書いてあったのだが、おそらく、列車番号が変わるだけで、引き続き、この車両で運用するので行き先を十日町ではなく越後川口にしているのだろう。戸狩野沢温泉の駅で、少しまだ雪の残るひんやりした空気を浴びたあと、再び、110系で出発する。途中、森宮野原までが長野県。ここから先が新潟県に入る。昔、まだ信 州ワイド周遊券なる非常に便利な切符があったころ、ここまでが範囲だったので、降りたことはなくてもなんとなく駅名を覚えていた。

右が長野から戸狩野沢温泉止まりの列車
左が戸狩野沢温泉発越後川口行
戸狩野沢温泉駅


本当はこのまま越後川口まで行って、飯山線を乗り通したかったのだが、越後川口から上越線の接続が悪いので、十日町から北越急行ほくほく線で越後湯沢に短絡する。北越急行へは開業して間もない頃に、1度だけ特急はくたかで駆け抜けたことがあるだけで、各駅停車には乗っていないので、ちょうどいい。十日町の駅は地平にへばりついた飯山線と立派な高架駅の北越急行が一体化していて面白い。駅の表口と裏口で全く違った表情を見せている。片や古い町を走るローカル線の顔。片や高速新線の区画整理された顔。そんな感じの駅を改札内と、一本の地下通路で連絡している。そろそろ時間になり北越急行の高架駅に上る。この日は晴れていたので、いいが、雪の日はこの高架ホームで列車を待つのはかなり寒そうだ。ホームには意外にもすでに、かなりの待ち人がいる。入線してしてきた電車は単行だが、立ち客もいるほどの盛況ぶり。特急じゃなくても、結構乗車率あるんだなって感心するが、客を立たせるなら、せめて2両にしろって言いたいよ。それにしても、各駅停車ながら、十日町を出るとぐんぐん速度を上げてゆき、早いことこの上ない。この速さが北越急行の最大の武器だよね。そし て、長いトンネル。120〜130キロで疾走しながら、トンネルをひたすら突き進むが、なかなか、出口にならない。高規格路線で、直線に引いてあるので、うんと遠くに米粒のような出口が見えてくるが、それでも、なかなか近づいてこない。やっとトンネルを抜けると、上越線との接続駅の六日町である。普段はここ六日町止まりになるのだが、土休日は越後湯沢まで延長運転される。おかげでこっちは大助かり。ここで、若干、乗客が入れ替わり、ここで座れる。ここから先は、上越線になるが、臨時列車のため六日町を出ると、途中駅には一切停車せず、次は越後湯沢となる。車窓にはスキーのメッカである、石打、上越国際スキー場前の駅を過ぎ、ガーラ湯沢を右手に眺めると、越後湯沢である。

十日町駅(JR側) 十日町(北越急行側)
ほくほく線 各駅停車


そういえば、なんか小腹が空いたなあ。おやつ代わりになんか駅弁買うか。ってことで、ほたてとまいたけの弁当を買う。越後湯沢からはMAXあさひ、もう4時近くなもんで、当然、東京行に乗るのかと思い気や新潟行に乗る。(笑)おいおい、これからどこへ行くっていうのかい?っていうか、今日中に東京に帰れるんかい?とにかく、E4系MAXの2階の窓側に指定を取ってるので、乗り込むが、これまた意外にも満席。指定を取ってて正解である。「あさひ」っていいながら、越後湯沢からは、浦佐、長岡、燕三条と新幹線の各駅に停車する。もっとも、東北・上越新幹線は行き先別に愛称をつけるのであって、東海道新幹線のいわゆる「ひかりタイプ」「こだまタイプ」というつけ方はしていない。だから、あさひでも各駅停車でおかしくないのであるが、この列車、ちゃんと越後湯沢までで、停車しない駅もあったのだ。しかし、東海道新幹線の「ひかり」だって、一駅で通過すれば、「ひかり」なんだから、この分類もどうかと思うが...。

新潟に到着したE4系 MAXあさひ321号 E4系MAX 側面ロゴ

さて、新潟からは、今回の鉄の最後の目的、磐越西線で、会津若松から郡山に抜ける。何もこんな暗くなる時間にって思うし、すでにJR完乗どころか私鉄だって完乗してるんで、初乗りってこともない。ただ、最近、磐西に乗ってないなあって思ったからである。記憶違いがなければ、大学1年の夏以来だからもう10年以上前にもなるのだ。新潟17時18分発あがの4号に乗るのだが、ここ新潟で、晩飯を調達しておかなければ食いっぱぐれてしまうってことでしゃけはらこめしなる駅弁調達。えっ!?え〜!!!おい、おまえ、今日4食目じゃない?(笑)はい、そうです。普段は小食でも、鉄の時は、結構食べます。っていうか、駅弁食べるのが楽しみなんだよね。
さて、夕暮れせまる新潟を出発したあがの4号は110系気動車の3両編成。夕方のせいか、少し立ち客も出る程度の混雑。新津までは信越本線の架線の下を進む。快速のため、新津までノンストップだ。新津から磐越西線に入り五泉に到着。ここで、過半数の客が下車し、ちょっと車内が落ち着く。五泉は、数年前まで蒲原鉄道が出ていたが、すでに廃線になってしまっている。新潟交通といい、蒲原鉄道といい、新潟県内の情緒ある私鉄各線が次々と廃止になってしまったことは本当に残念である。
春分まで後ひと月、真冬に比べれば随分、日が長くなったと感心するが、さすがに、もう6時。そろそろ夜の帳がおりて、ちょうど、馬下(まおろし)あたりで外の視界がなくなる。それでも、列車は淡々と進み、乗客を少しづつおろしてゆく。気が付くと3両の車両はみな、閑散としたもので、それぞれ、2、3人しか乗っていない。駅名標を見ると津川であった。しかし、列車は、切り離しをするわけでもなく、そのまま3両のまま先へ進む。明らかに輸送過多である。これだけ空いてしまうなら、途中で切り離しを行えばいいのにって思ってしまった。列車はいつのまに、福島県に入り、ラーメンで有名な喜多方を過ぎると、3時間近くかかった行程もまもなく終了。会津若松に到着となる。会津若松からは進行方向を同じ磐越西線だが、進行方向が変わり、ばんだい12号に接続する。会津若松−郡山は電化されており、特急が1日に3往復。(1往復は臨時)快速も6往復と本数が多くなり、新津方とは様子がガラリとかわる。車両も455系の6両編成となるが、この時間の上りでは、車内はガラガラ。快速と言っても通過駅はそれほどないのだが、1時間ほどで、郡山に到着。

あがの4号 ばんだい12号

いよいよ、東京まで、最後の行程となる。最後の列車は、21時29分発つばさ144号東京行。新幹線ホームへ向かう途中の電光掲示板の案内で一応確認。21時29分、21時29分...あれ?次は21時34分...って、21時29分のは?慌てて、列車名を確認、MAXやまびこ144号・つばさ144号。となっている。もう一度、自分の指定券を確認。「つばさ144号 21時29分発。」あれ?指定券には到着時間が書いてあるんだっけ?ととんちんかんな発想をするが、よくみれば、21時29分"発"の文字。頭が混乱する中、冷静に考えてみると、時刻変更だよねって、思い当たる。冷静に考えなくても分かりそうだが、21時29分だって、思い込んでるんでこういうときは意外と、柔軟な発想ができないものである。(笑)。しかし、何の案内もなしでは戸惑うよな。磐越西線の乗り換えでも、「東北新幹線上り21時29分発つばさ144号東京行13番線からです。」と案内放送が入ったのに...で、とにかく、ホームへ。念のため駅員にちょっと確認してみようかなって思っていると、すでに、先客あり。ま、ちょっと待つかって思って、駅員のところまで、近づくと、 先客のおじさんがなんか怒鳴ってる。なんだなんだ?って聞いていたら、俺と同じように戸惑ったらしい。しかしさ、駅員に噛み付くほど、怒ることか?たかだか5分くらい。俺としては、29分のが34分になったって確認がとれればいいわけで。確かに、案内不足っていうのはあるけどね。どうも、臨時でMAXやまびことの増結を行ったらしい。時刻表ではこの列車は数少ないつばさの単独編成であった。けど、JR東日本はあくまでも、遅れではなくて、時刻変更後の定時。だから、特に案内はないらしい。けど、それじゃあ、客は戸惑うよね。時刻表にも載ってないし、指定券には29分って書いてあるんだから。ま、5分くらいいいんだけどさ。でも、こんなことはないと思うけど、これが逆で、5分早くて、しかも案内がなく気が付かずにKIOSKなんかで時間潰してる間に列車が出発してたなんてことがあったら、さすがにキレるけどね。(笑)。せいぜい、俺の被害は、東京は暖かくなったとはいえ、郡山は一応東北。2月の夜の9時半になれば、それなり冷え込むものだ。その寒いホームで5分余計に待ったってくらいかな。で、寒さに耐えかねて、ホームの待合室に入ろうとしたんだけど 、バカップルが抱き合ってて、入るに入れず...(怒)。これには、怒り心頭、引きずりだして、ホームから突き落としてやろうかと思った。(笑)。一人身が長いと、カップル全部が憎らしく見えてくるんだね。(笑)。あとで、わかったが、このカップル、女性が男性を見送り来たらしい。しばしの別れだったんだね。いかにもTVドラマやCMに使われそうなシチュエーションだったってわけだ。さてさて、話は元に戻して、もう一人怒り心頭で、駅員につめよるおやじはおいといて、かくして、5分後、臨時のMAXやまびこに連れられて、つばさが入線。しかし、あくまで、定刻なんだよね。車内放送でも、時刻変更の案内はない。検札にきた車掌を捕まえて、東京到着も遅くなりますか?と聞いたところ、MAXやまびこと増結した影響で、2分遅くなります。との答え。郡山で5分だったのが、東京で2分ってことは、途中で3分詰めるんだ。それはそれですごいな。しかし、結局東京到着まで、放送での時刻変更の案内は一切なかった。もっとも、福島の発車の時点であったのかも知れないけど...しかし、郡山から、新幹線って乗ってしまえば、本当に早いもので、1時間20分ほどで東京に到着 してしまう。本当に早いもんである。思えば、長野を昼過ぎに乗って、飯山線経由で、新潟に出て、磐越西線を乗り通しても東京には23時前に着いてしまうんだから。

東京に到着したつばさ144号 400系つばさ 側面ロゴ
これが、臨時で並結されたE4系MAXやまびこ144号 400系と500系のツーショット!

そんな感じで、今回の鉄も無事終了です。

春を見もせずに...長野電鉄木島線 (前編)
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