アメリカ大陸横断鉄道の旅 〜カリフォルニアゼファー号〜
2005年6月13日(月)
今日はサンフランシスコを後にして、いよいよ憧れの大陸横断鉄道に乗って、シカゴへと向かいます。実はアムトラックはサンフランシスコには乗り入れてはおらず、ベイブリッジを渡ったオークランド側のエメリービルから出発します。
サンフランシスコの中心街であるMarketST(PowellST)から アムトラックの接続バスが出ます。 |
これがオークランド側にあるエメリービル駅です。 平屋建てのこじんまりとした駅です。 |
待合室の様子 | カリフォルニアゼファー号 入線です。 非電化のためディーゼル機関車2両で牽引します。 |
機関車側面のAMTRAKのロゴマーク | 2両の機関車が背中合わせに連結されています。 |
機関車のすぐ後ろには荷物車が連結されています。 | その後ろからは2階建て寝台車です。 |
この車両にこれから3日間お世話になります。 | 出入口です。 |
入口の横に号車番号があります。チケットの号車を確認して 乗り込みます。 |
これが、延々シカゴを経由して、ボストン、ニューヨークと東海岸まで 通じています。 |
それでは早速乗車してみましょう。 ドア付近の様子です。 |
入ってすぐ右側には大きな荷物を預けるラック があります。 |
荷物ラックの前から2Fに上がる階段があります。 |
コの字形の細く急な階段です。 | 階段を上がったところに、寝台車の客専用の フリードリンクコーナーがあります。 ボトルのミネラルウォータ、コーヒー、紅茶、 オレンジジュースなどいつでも好きなときに 好きなだけ飲むことができます。もちろん無料です。 |
通路。両側が寝台の客室になります。 |
これが今夜からお世話になる私の個室です。 昼間は向かい合わせの座席。夜は2段ベッドになります。 |
カリフォルニアゼファーの古いエンブレムが貼ってあります。 |
プレートは2種類ありました。 | カリフォルニアゼファーの行程表です。 |
エメリービルを出るとすぐにBARTの車庫が見えてきました。 | 最初の停車駅はMARTINEZ駅です。 |
MARTINEZ駅を出てしばらくすると人家がなくなり ご覧のような原野が広がります。 |
そして、エメリービルを出発して2時間後。 カリフォルニア州の州都サクラメントに到着します。 |
サクラメントに停車中のカリフォルニアゼファー号 | UNION PACIFICのディーゼル機関車もいます。 |
サクラメントを出発すると列車は最初の景勝地 アメリカンリバーバレーへと向かう |
赤茶けた山間を縫うように列車は走ります。 |
深い峡谷が現れます。 | 遠くには雪をいただいた山が見えます。 |
雪山が見えています。 | レイクタホです。 |
ラウンジカーの様子 | 食堂車の様子 |
Truckee駅に到着です。 | レイクタホへの玄関口となるため駅前は賑わっています。 |
高原の中を清流が流れています。 | 列車が進むごとに気色が刻々と変わります。 |
山肌は荒涼としています。 | また原野が広がります。 |
原野の向こうに突然街が現れます。 | ネバダ州のリノです。この派手なサインで分かるかと思いますが ラスベガスに次ぐカジノの街です。 |
リノに停車中 | ヒルトンホテルもあります。 |
Southen Pacificのディーゼル機関車がいました。 |
砂漠とそれに続く丘陵が続きます。 | |
びょうびょうとした大地が広がります。 | |
しばらくはこんな感じの景色が続きます。 | |
やっと本当に本当に小さな集落が近づいてきたと思ったら停車です。 | Winnemucca駅に到着。ホームはおろか舗装もされていない 地べたに降ろされます。 |
2005年6月15日(火)
夜明け前、ソルトレイクシティーに到着です。 | 2泊3日の行程のため給油をします。 |
一夜明けて なおも列車は快走します。 | 夜が明けて最初の停車駅Helperに到着です。 |
Helper駅 | 荒涼とした風景の中に小さな集落があります。 |
駅を出るとテーブルマウンテンが現れます。 | |
遠くにロッキー山脈が見えてきました。 | いよいよカルフォルニアゼファー号の最大のハイライト ロッキー越えです。 |
列車はユタ州からコロラド州に入り、 グランドジャンクション駅に停車します。 |
グランドジャンクション駅 |
グランドジャンクション駅に停車中のAmtrak | 機関車部分です。ホームからはみ出して停車してるため 前から写真が撮れませんでした。 |
Southern Pacificの機関車 | とてつもなく長い貨車です。 |
この辺は操車場でしょうか。 | 貨車の引き込み線にタンク車が入っていきます。 |
西部劇にでてきそうな山があります。 | コロラド川と出会います。 |
Glenwood Springs駅に到着 | 高原の中の清清しい感じの中の、瀟洒な駅舎が特徴です。 |
リゾート地らしく駅前にはショッピングセンターがあります。 | Glenwood Springs駅に停車中のAmtrak |
これが食堂車です。 | 食堂車の昼食を紹介します。ターキーチキンサンドイッチです。 |
こちらはラウンジカーです。 | これはコーチシート(一般座席)車です。 |
いよいよロッキー越えです。 | 山肌も険しくなってきます。 |
遠くに山小屋が見えています。こんなとこでどんな生活を してるんだろうって思ってしまいました。 |
牛が草を食んでいます。 |
しばらくはコロラド川に沿って列車は進みます。 | |
貨物列車と行き違います。 | 急曲線のため先頭が見えます。 |
列車が進むにつれコロラド川とその景色は様々な表情を見せます。 | いかだにも遭遇します。 |
雪を抱くロッキーが見えています。 | 険しい山道を登っていきます。 |
このあたりがロッキー越えのクライマックスです。 | |
突然、穏やかな草原へと景色が変わります。 | |
そしてまた荒涼とした峡谷を列車は走ります。 |
Fraser-Winter Park駅に到着です。 | Fraser-Winter Park駅 駅舎はこれだけです。 |
Fraser-Winter Park駅に停車中 | 小さな駅舎に図体のでかい車体がなんとも妙です。 |
別角度から | 遠くに雪を頂く山々が見えています。 |
少し停車時間があったので、こんな写真が撮れました。 | 機関車のAMTRAKのロゴ |
正面から | アメリカの踏み切りです。黄色×黒ではなく 白×赤の組み合わせです。 |
後方より撮影 | 2階建て車両のためかなり馬鹿でかいです。 |
カリフォルニアゼファー号最後の山越えです。 | |
巨大なダムが見えています。 | 山間の向こうに平原が見えてきました。 |
この険しい山の中からあの平原まで列車は下りていきます。 | この眼下の平原に向けて列車は序々に高度を下げて行きます。 |
少しづつ下界に近づいてきました。 | 遠くにデンバーの町が見えてきました。 |
光の加減で見難いですが、S字に線路が続いています。 | まもなく山を完全に下ります。 |
最後のS字カーブです。 | やっと下におりてきました。 |
食堂車 ディナーの準備が整っています。 | 今晩のディナーはローストチキンです。 |
デンバーに到着です。 | デンバー駅 |
デンバー駅に停車中のAMTRAK | 出入口に立っている彼がこの車両を担当する客室係で、 2泊3日のお世話をしてくれました。 もちろん、乗客の名前をちゃんと覚えていて、Mr.Fushikenと 呼んでくれます。 |
2005年6月16日(水)
Omaha駅 | 一夜明けてネブラスカ州 Omaha駅に到着です。 |
Omaha駅に停車中のAMTRAK | 昨日までの風景とは一転、牧草ロールのある日本でいうと 北海道のような景色が広がります。 |
広大な牧草地帯が続きます。 | アイオア州OSCEOLA駅に到着 |
OTTUMWA駅 | OTTUMWA駅に停車中のAMTRAK |
一面、じゃがいも畑です。 | MT.PLEASANT駅に到着です。 |
駅の近くにはSLが保存されていました。 隣は給水塔でしょうか? |
そしてまたじゃがいも畑が広がります。 |
シカゴの郊外に入ってきたのか貨物線と頻繁に合流するように なりました。 |
BNSFの機関車です。 |
そろそろイリノイ州に入ったでしょうか? 線路端の蝿たたき。日本では見なくなったものです。 |
貨物ヤードとBNSF機関車 |
日本では考えられない2段置きの貨物です。 | シカゴの町が見えてきました。いよいよ終点です。 |
シカゴに到着です。 | サンフランシスコ・エメリービルから2泊3日に渡り牽引してきた 機関車。本当にご苦労様でした。 |
仲間の機関車と集います。 | 後で、別途紹介しますが、シカゴ駅の大ホールです。 アンタッチャブルの映画でも使われました。 |
ということでサンフランシスコ(エメリービル)からシカゴまで2泊3日のAMTRAKでの旅でした。すごい豪華版というわけではありませんが、古き良き大陸横断鉄道の旅の面影がところどころに残っています。まず寝台は全て個室。他人と相部屋ということはありません。寝台車の場合、食事がすべてついています。一部、写真でも紹介しましたが、これがかなりのボリューム。それでもって、朝8頃、お昼1時頃、夜7時頃としっかり3食でます。こっちは1日中、個室寝台の中で座ってるか寝てるだけなので、全く、おなかがすかないどころかブロイラー状態です。しかし、かといって、他にすることもなし、結局、「ダイニングカーからのご案内です。」との放送に足が食堂車に向かってしまいます。この食堂車ですが、4人以外の場合は必ず相席になります。ということで1人旅の私は、いつもどこぞの外人の中に放り込まれます。でもって、相席になった外人といろいろ話すわけですよ。片言ながらなんとかなるものですが、普段全く英語を使わない生活なので学生の頃に比べて明らかに英語力が落ちたことを痛感させられました。そして忘れていけないのが、寝台車は食事が含まれているとは
言っても、必ずチップは置くこと。これが忘れがちなのですが、メニューに値段が書いてあるので、(メニューは朝と昼が7$〜10$前後。夜が10$〜20$)チョイスに合わせて、その15%〜20%の2$〜4$をテーブルの上において、退席します。
そして、各車両に乗っているアテンダントは、本当によく働きます。各個室のベッドの上げ下ろし、フリードリンクコーナーの補充。当然駅でのドア扱い。荷物の運び出し。ということで、下車するときは1泊につき10$程度のチップが必要です。私の場合は2泊3日だったので、20$を渡しました。ちょっと高く感じるかもしれませんが、日本旅館に泊まったときの心づけと同じと思えば、合点がいくと思います。とにかくアメリカはチップ社会ですので、郷に行っては郷に従えです。
でもって、肝心の運賃ですが、個室寝台でサンフランシスコ−シカゴで約800$しました。はっきりいってものすごく高いです。競争の激しい航空機なら、2、300$で済むでしょう。しかし単なる移動手段と思うと高いですが、2泊分の宿泊費、そして、計7回に渡る食事代が入ってると思うと、そんなに高くないと思えませんか?もちろん、もっと格安に済ませるのであれば、寝台ではなく、コーチシート(座席車)にすれば、半額ほどになりますが、やはり1度はこの区間、寝台に乗って欲しいところです。でもって、1時間、2時間の遅れは当たり前。どこぞの国の1分遅れると日勤教育云々とはえらい違いです。この列車もたっぷり2時間遅れての到着です。そして回復運転とはなんぞやです。1度遅れだすと、遅れっぱなし。しかも、誰一人文句言う人はいいません。ここでは悠久の時間が流れています。それでも、日本では絶対味わえない、2泊3日の行程と、車窓からの絶景、そして悠々と流れる贅沢な時間の過ごし方を是非、体験して欲しいです。
1 サンフランシスコ編 | |
2 カリフォルニアゼファー号 | |
3 シカゴ編 | |
4 レイクショア・リミテッド号 | |
5 ニューヨーク編 | |
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